第58章 *創造シルキー*
ヴィル『だまらっしゃい!...まったく』
ピシャリと渇を入れ、その場で軽くため息をつくと、ふと去っていくレイラと視線が合わさった
『..おやすみ』
ヴィル『...ええ。おやすみ』
グリム『ユウ~、レイラ~!』
ユウ『みんな、許せ..』
『ごめん』
必死に助けを求めてくる3人の視線を申し訳なさそうに振り切ると、ユウたちは部屋へと戻っていった
二人の姿が部屋の奥へと消えたのを確認すると、ヴィルも床に倒れているエースたちに背を向けて、自分の部屋へと戻っていく
ヴィル『どいつもこいつも、なぜそんな美しくない振る舞いが出来るのかしら。アタシには、ちっとも理解できない』
オンボロ寮・自分達の部屋
残してきた3人のことを心残りになりながら、まだ少しだけ熱の残るベッドへと潜り込んでいた
ユウ『友達を見捨てて戻ってきてしまった..』
『後で毛布かけてあげよ?あそこ凄く寒いよ』
ユウ『そうだね。...そういえば、どうしてヴィル先輩といたの?』
レイラの髪を撫でながら、そっと額にキスをして問いかけると、レイラは嬉しそうに目を細めながら口を開いて先程までのことを話した
ユウ『そっか..レイラもオシャレとか美容に興味持ち始めたんだね』
『というより、可愛くなってユウたちを驚かせたかったの』
ユウ『既に充分可愛いのに..』
『だって..』
胸元をキュッと握る感触に、顔は見えずともユウにはレイラが何を考えているかが分かった
ユウ『..レイラは可愛いよ。一番可愛い』
『もっと可愛くなりたい』
ユウ『これ以上はさすがに僕が困っちゃうよ。レイラが魅力的になればなるほど、みんな好きになっちゃうんだから』
『私、ユウのこと大好きだよ?ずっと一緒にいる..だから、心配しないで』
背中に回る腕に力がこもり、レイラの身体がより密着する
ユウ『レイラ..僕も、大好きだよ。愛してる』
『..ユウ、約束して。"私から離れていかない"って。"ずっと一緒にいる"って..』
ユウ『...』
『お願い』