第58章 *創造シルキー*
エース『ま、まさか、冷蔵庫の食べ物に毒を..!?』
ヴィル『ふっ..毒じゃないわ。それは"呪い"』
デュース『の、呪い?呪いを食べ物に仕込むってどういう..』
ヴィル『これはアタシのユニーク魔法。"美しき華の毒"(フェアレスト・ワン・オブ・オール)。この魔法は、手で触れたものに"呪い"を付与することができるの。この強烈な呪いは、条件を満たすまでアタシにも解けない。
昼間あんたたちから回収した菓子にかけた呪いはこうよ.."これを口にした愚か者は、翌日陽が昇るまで動けなくなるだろう"』
デュース『そ、そんなことが可能なのか..っ!?』
エース『それ、毒よりこえぇじゃん!味は変わらないってことだろ!?』
ヴィル『VDC本番まで、砂糖や添加物たっぷりの食品は、控えるようにと言ったわよね?代表メンバーに選ばれた自覚が無さすぎる!罰として、その硬い床に朝まで転がってなさい』
自分は巻き込まれただけだと弁明するデュースだったが、ヴィルは連帯責任だと言ってはね除ける
ヴィル『マネージャー。あんたは食べ物を口に入れなかったようだから今日は見逃してあげるけど..舞台に上がらないからって、甘えないことね。
あんたもジャガイモたちみたいに床に転がされたくないなら、兎を連れてさっさと部屋に戻りなさい』
ユウ『は、はい..え?兎??』
ヴィル『兎、もう良いわよ。こっちにいらっしゃい』
戸惑うユウを尻目に振り返り、レイラを呼び出すと、応じるように小さな足音がトタトタと駆けてくる
『『『!!??』』』
ユウ『レイラ!?どうしてヴィル先輩と..』
『さっきお話してて、そのままここに来た』
ユウ『え?へ?』
ヴィル『とにかく、この兎を連れてあんたはさっさと部屋に戻ること。いいわね』
『ユウ、戻ろ?』
ユウ『え、あ、うん...』
そっと手を握られ、引かれるままにエースたちへと背を向けて部屋へと歩き出す。すると、余りにも素直に帰っていくレイラに、背後でエースたちの焦りの声が響く
エース『ちょ、レイラ!見捨てんなよぉ!』
グリム『ふな~~っ。二人とも、オレ様を置いていくんじゃね~んだゾ!』