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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第58章 *創造シルキー*






『毒の人のおかげで、もちもちになった。これユウたちに見せて驚かせる』


ヴィル『1日やそこらで変わったわけじゃないわ。持続的に続けることで真に磨かれるのよ。だから、』


『毎日ケアをしっかりしなさい、だね』



楽しそうに耳を揺らしながら小さな笑みがアタシに向けられる


初めて向けられた、アタシに対しての笑顔。そんな顔もできたのね



ヴィル『そうよ。というかあんた、よくアタシと普通に喋ってられるわね』


『?ダメだった?』


ヴィル『昨日アタシに散々言われたから、臆病なあんたはてっきりケアが終わったら逃げていくかと思ったわ』



完全に嫌われてると思っていたから、ここまで普通に会話できているのが少し不思議で仕方なかったのよ



『..私、毒の人嫌いじゃないよ?』


ヴィル『!?』



心の声を覗かれたような言葉に、ドキッと鼓動が一瞬大きく跳ねた



『色々言われたけど、だからって嫌いにならないよ?言われたことも、レッスンの内容も厳しいかもしれないけど、私はそこまで間違ってないと思う。間違ってたら何か言い返すし、嫌うかもしれない。

でも、ある人の時に決めたの。その人の事を知らない間は、絶対に嫌いにならない。ちゃんと知ってから判断しようって』


真っ直ぐに見つめてくる深紅の瞳から目が離せない。余りにも真剣で美しくて、このまま魅入ってしまいそう



『えっと、だからね..そんな寂しそうな顔しないで』



その言葉に真後ろを振り返ると、兎の言うとおり不安そうに顔を歪ませるアタシが鏡に映っていた。なんて情けない顔をしてたの



ヴィル『別にあんたに嫌われたくらいでどうでもいいのよ。あんたが普通にアタシと喋ってるから、少し気になっただけよ』


『ん...そっか...』


ヴィル『ええ..』


『....』


ヴィル『....』



突然の無言の空気に訳が分からなくなる。さっきまでお喋りだったのに、何で急に黙るのよ。出ていくわけでもなく、ただアタシを真っ直ぐに見つめているだけ


どことなく惚けているような感じもするけど..



ヴィル『..何よ』


『...毒の人、やっぱりキレイだなって』


ヴィル『は?』



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