第8章 *先輩サウザント*
ケイト『ひえ~、焦った』
グリム『超カンジが悪いんだゾ、アイツ!』
デュース『こら、失礼だぞ』
グリム『うるせぇー!レイラもそう思うだろ!?』
『ん...あの人長いし細かい...ワガママ...キライ』
ユウ『レイラがハッキリと"キライ"なんて言った人、初めて聞いたかも...ビックリした』
『ごめん...でも本心。それに、あの人達だって』
レイラが視線を向ける先には、ハーツラビュル寮の生徒が食事に関する法律を破ったことをリドルにバレずに済んだ事による安堵の声を洩らしていた
トレイ『...寮長は、入学して1週間と経たずに寮長の座についた。少し言葉がキツくなりがちだけど、寮を良くしようと思っての事で、根は悪いヤツじゃないんだ』
『良い人は首輪をいきなりつけない...あれってユニーク魔法?』
グリム『ユニーク魔法?』
トレイ『そうだ。一般的にその人しか使えないような魔法をユニーク魔法と呼ぶ。その内授業で習うと思うぞ』
ケイト『リドルくんのユニーク魔法は、"他人の魔法を一定時間封じる事が出来る魔法"その名も、
首をはねろ!(オフ・ウィズ・ユア・ヘッド!)』
おっかない名前にグリムが小さく悲鳴をあげる
ケイト『魔法士にとっては魔法を封じられるのって、首を失うのと同じくらいイタいからね~。ってわけで、寮内ではリドルくんのルールには逆らわない方がいいよ』
トレイ『逆にルールにさえ従っていれば寮長も怖くないってことだ』
エース『そういや、オレタルトを買って帰らないとまたケイト先輩に追い出されるわけ?』
ケイト『そうだね~、ハートの女王の法律・第53条でそう決まってる。あとリドルくんは特にホールケーキの最初の1ピースを食べるの楽しみにしてるから、きっとホールじゃないと許してくれないよ』
エース『仲良くしようとか言っといてそこは見逃してくんねーのかよ!』
ケイト『それはそれ、これはこれ』
デュース『しかし、タルトをホールでってだいぶ高くないか?』
エース『げー、オレそんな金持ってないんですけど』