第58章 *創造シルキー*
『ん..美味しい..♪』
ユウ『ホントだね。凄く優しい味がする』
ルーク『酸っぱすぎず、甘すぎず。喉ごしの爽やかさはまるで林檎畑を吹き抜ける涼やかな風のようさ。愛情を込めて真摯に作られているのが分かる逸品だ』
エペル『そうでしょう!このジュースは何種類かの林檎をブレンドして作ってる、故郷の自信作なんです!ハチミツを混ぜれば喉にも良いし、歌の練習の後にはピッタリかも!
あ、ジュースだけじゃなくて、とれたての林檎もたげんめぇ..美味しいんですよ!』
いつもとは違って饒舌に語り出すエペルを、ルークは嬉しそうに微笑みながら耳を傾ける
ルーク『はっはっは!熱の入ったトークだ。良いね。ムシュー・姫林檎が故郷をとても愛しているのが伝わってくるよ』
エペル『でも..輝石の国の片田舎で作ってるせいか、どうも知名度が低くて..』
カリム『へえ。こんなに美味いのに、なんか勿体ないなぁ』
エペル『年々観光客も減ってて、このままじゃ..』
ヴィル『あんたたち。いつまで談話室にたむろっているの?..というか、この段ボールの山はなに?』
話し声を聞き付けて談話室に現れたヴィルは、目の前に積み上がった段ボールに眉をひそめた
ルーク『エペルくんの実家から林檎ジュースが届いてね。みんなで頂いていたところさ』
エペル『お、お砂糖は入っていません!保存料も!だからその、長期間保管がきかないので..ヴィルサンもよければ、飲んでください』
ヴィル『ふぅん、そう。気が向いたら頂くわ。それより、そろそろ22時になる。就寝時間よ』
エース『22時就寝!?小学生かよ』
ヴィル『寝る時間が早いイコール子供だなんて考えこそ、お子ちゃまマインドね。美しい肌と髪を保つためには、7時間以上の睡眠が推奨されてるんだから』
いつもより断然早い就寝時間に、ルークやエペルを除いたメンバーが驚いていると、思い出したように"ああ、そうだ"とヴィルは全員に視線を向ける
ヴィル『全員に聞いておこうと思ってたけど..あんたたち、ヘアケアとスキンケアはどこのメーカーを使ってるの?』
その言葉にエースたちの目がきょとんと丸くなり、何のことだと首をかしげた
デュース『え?ケアって..なんですか?』