第58章 *創造シルキー*

ジャミル『洗いざらしにしておくと髪が絡まるので、ヘアオイルはつけてますが..肌は特に何も』


カリム『実家にいた頃は色々つけられてたけど、寮生活になってからはなにもしてねーや』


３人の言葉に、ヴィルは信じられないと言わんばかりに驚愕を露にした


ヴィル『油分を洗い流した肌をそのまま放置しているなんて、正気！？今からアタシのお手製のスキンケアグッズを配るわ。それで朝晩の洗顔の後は必ずケアして』


そう言ってヴィルは手に持っていた大きめのバックから、取り出したのは深い青紫で統一された様々な化粧品の数々


カリム『おお、ヴィルは化粧品を自分で作ってんのか？すげーな！』


ジャミル『流石はポムフィオーレ寮長。薬草学の知識が豊富なだけありますね』


ルーク『私とエペルくんはこのヴィルお手製スキンケアを使い始めてから肌荒れ知らずさ』


エペル『はい。これ以外にも日焼け止めとか、ルースパウダーとか、リップクリームとかハンドクリームとか..いっぱい押し付..いただきました』


カリム『ところで..瓶がいくつもあるけど、どうやって使うんだ？』


ヴィル『そこから？仕方ないわね..まず洗顔料から教えましょう』


呆れた様子でカリムに近づくと、いつのまにか手にしていたヘアバンドでカリムの髪を上げさせると、全員に見えるように背後に移動した




ヴィル『マネージャー。桶に水をはって持ってきてちょうだい』


ユウ『あ、はい』


言われた通りに小さな桶に水を真ん中まで注いで持ってくると、ヴィルの横の机にそっと置いた


ヴィル『ありがと。カリムをモデルに実践するから、あんたたちよく見て覚えなさい』


『『『は、はい』』』


ヴィル『カリム。あんた普段洗顔するとき、なにを使ってるの？』


カリム『水！』


ヴィル『論外！まず、ネットでよく泡立てた洗顔料の泡で顔を包み込むように洗って。ゴシゴシ擦るのは厳禁』


カリム『あはは、何かくすぐったいな』


泡立てた洗顔料をそっとヴィルのしなやかな手が頬を洗い始めると、その感触にカリムが思わず身をよじる


それを軽く押さえながら水で洗い流してやると、今度は化粧水とコットンを手に取り出した


ヴィル『洗顔が終わったら拭き取り化粧水よ。コットンに取って優しく肌を滑らせる』