第58章 *創造シルキー*
エペル『うわぁっ!絶対ばっちゃ..あ、おばあさまからだ。もう、電話で何度も送らなくていいって言ったのに!』
カリム『なんだぁ?実家から絹の反物でも送ってきたか?』
エペル『いえ、そんなすごいものじゃない..かな。えと、僕の故郷は林檎が特産品で..多分これ全部、林檎ジュース..です』
エース『全部!?ジューススタンドでも開けそうな量じゃん』
エペル『あ、箱の中に手紙が入ってる..なになに』
箱の1つに手紙が添えられていることに気づき、そっと開いて読んでみると、そこにはジュースが売れ残った+賞味期限が近いので学校の友達と分けるようにと書かれていた
エペル『..も~!売れ残りば押すつげるなよ。でも、こんなに売れ残ってるなんて..』
デュース『飲み物だけをたくさん送ってくれるって、エペルも凄いお坊っちゃまなんだな』
エペル『えっ!?』
エース『あ、成る程。エペルは林檎ジュースのブランドにこだわりがあって、これしか飲みたくないとか?』
エペル『ぜ、全然そういうわけじゃない..かな!?良かったらみんなも飲んで。林檎果汁100%、保存料なし。ビタミンもたっぷりだから、ジュースだけどヴィルサンも怒らない..かも。味は保証するよ!!』
届いたジュースを強く推すような発言に、エースは"やっぱりこだわりがある"と指摘すると、エペルは苦笑いで返すしかなかった
ルーク『メルシー!ムシュー・姫林檎。ありがたくご馳走になるよ。ご実家の皆様に感謝を伝えておくれ』
『飲みたい..』
ユウ『目がキラキラしてる..可愛い。僕も飲みたくなってきた』
ジャミル『玄関を段ボールで塞がれていては出入りもできない。とりあえずこの箱たちを談話室へ移動させよう』
『ん..しょ..わわっ..』
各々が協力して段ボールを移動させる中、1人で持っていこうと持ち上げたレイラの身体が、重さによってバランスを崩しかけた
エペル『!危ない..!』
ちょうど近くにいたエペルが慌てて駆けつけて箱とレイラを片手ずつで支えた為、大事には至らなかった