第58章 *創造シルキー*
エース『いやいや、レイラを悪く言った訳じゃないって』
カリム『普通に美味かったぞ。ただ、いつもとだいぶ違ったから..』
ジャミル『野菜、鶏肉のささみ、フルーツが中心のレシピだった。量は充分だと思ったが』
デュース『"痩せ"ではなく"引き締め"のためのメニューと言ってましたね』
『私は満足..』
エース『そりゃ野菜好きなお前はな。でも全然食ってなかったじゃん』
カリム『ホリデーの時も思ったけど、あれだけで足りるのか?』
『ん..あれで充分。美味しかったしお腹いっぱい』
グリム『でも、野菜ばっかじゃ全然食った気しねぇんだゾ..オレ様とユウとレイラは大会に出ねぇんだから、肉と揚げ物食わせろってんだ~!』
ヴィルの食事メニューに、普段から揚げ物+香辛料をメインにしていたグリムやエースたちからは、不服の声が次々と上がる
ユウ『一日目にして先が思いやられる..まぁでも、ヘルシーでよかったのかな』
ビー!!
突然オンボロ寮の玄関のチャイムが鳴り響き、全員が音の方へと顔を向ける
グリム『ん?こんな時間に誰だ?』
『行ってみよ』
オンボロ寮・玄関
全員で玄関に向かい、扉を開くとそこには配達員の格好をしたゴーストがふわふわと浮かんでいた
宅配ゴースト『お届け物でぇす。ポムフィオーレのエペル・フェルミエさんはこちらに?』
エペル『はい。エペルは僕..です』
宅配ゴースト『サインお願いしまーす。大きな段ボールが10箱届いてます。玄関に置いてしまっても?』
宅配ゴーストの背後にはチラリと段ボールの山が見え隠れしていた
エペル『えっ、10箱も!?』
宅配ゴースト『はい。差出人は..あ、こちらもフェルミエさんです。ご実家からですかね?どれも重たいので、持ち運びに気を付けて』
エペルがサインを終わらせると、ゴーストは次々に玄関に段ボールを積み上げた。動かすたびに中から僅かにカランと固いものが当たる音がする
デュース『あっという間に段ボールでオンボロ寮の玄関が埋まったな..』
『ビンの音..?』
箱の中からする音に、レイラの耳がピクッと反応した