第57章 *合宿スタート*
ジャミル『それは..少し分かる気がします』
エペル『自分を、偽る...』
ヴィルの言葉に心当たりがあるのか、二人は考え込むような仕草で視線を逸らした
ヴィル『だからアタシは、胸を張って自分自身に投票できるように最善を尽くす。今回用意したオリジナル曲も、その一つよ』
ルーク『高みを目指す君の横顔、実にボーテ!輝いているよ、ヴィル。早速私たちにも曲を聞かせてもらえるかい?』
ヴィル『勿論。それじゃあ、マネージャー。オーディオプレーヤーで曲を再生してくれる?』
ヴィルの視線はユウとレイラの二人に注がれ、本人たちはいきなりのことに"えっ?"と抜けたような声が出た
ユウ『マネージャーって、僕らのことですか?』
ヴィル『あんたたち以外に誰がいるのよ。学園長にサポートを頼まれたんでしょう?賞金がほしいなら、アタシたちのためにキリキリ働きなさい』
『は~い..』
ユウ『これも住環境充実のため...』
仕方ない、と二人で目を合わせた後、ユウはオーディオプレーヤーを手にとると、一番上の項目にのっていた曲を再生した
~~~♪
静かなボールルームに、新曲の旋律が広がっていく。それは、オーディションで踊ったPiece of my worldとは全く違ったテイストだった
『この曲、好き..』
ユウ『僕も』
エース『うわ、すげー本格的』
カリム『いいリズムだ!格好いいな』
ジャミル『ジャンルとしてはエレクトロニック・ダンス・ミュージックでしょうか?この曲で踊るなら、アーバンヒップホップ..いや、ヒップホップジャズ?』
ヴィル『アーバンヒップホップをベースに、ジャズやブレイキン、ヴォーギングを交えて仕上げようと思ってるわ。メインボーカルは3人。それ以外のメンバーにはコーラスとダンスを中心にパフォーマンスしてもらう予定よ』
カリム『ええ?みんなで歌うんじゃないのか?』
その問いにヴィルは目を閉じて静かに首を横に振った
ヴィル『斉唱は高い技術がないと、がなっているように聞こえてノイジー..今から7人の歌唱レベルを合わせるのは難しい。だったら、それぞれ集中するポイントを作って取り組むべきよ』