第8章 *先輩サウザント*
背は同じ程で一見子供に見えるが、先の尖った耳と妖艶と自信に満ちた表情が彼が只者ではないのが分かる
『増えてる...』
ユウ『あ、おかえりレイラ。こっちおいで』
ユウが隣の席、もといレイラが先程まで座っていた席をポンポンと叩くと、レイラは大人しく戻りユウにくっつくように座った
『誰?』
ユウ『ディアソムニア寮のリリア・ヴァンルージュさんだって...』
リリア『これはまた無垢な小動物が来た...にしても、お主らわしの年齢が気になると?クフフ、こんなにピチピチで愛らしい美少年のわしだが、確かにそこの眼鏡が言うように子供とは呼べない年かもしれんな』
気になるなら遠くから声をかければ、とリリアは言うが、同じくディアソムニア寮の生徒二人がいる向こうの席からは、話しかけるなオーラが出ていた
リリア『食事中、上から失礼した。では』
と言うと、一瞬にして姿を消した
トレイ『ま、まぁ...そんなわけでディアソムニア寮は少し特殊なやつが多いイメージだな。魔法全般に長けた優秀な生徒が多い。寮長のマレウス・ドラコニアは世界でも5本の指に入る魔法士と言われてるくらいだ』
ケイト『マレウスくんは正直、やばやばのやばだよね。つか、それを言うならウチの寮長も激ヤバなんだけど~』
エース『ほんっとにな!タルトを1切れ食ったくらいでこんな首輪つけやがって。心の狭さが激ヤバだよ』
リドル『ふうん...ボクって激ヤバなの?』
エース『そうだよ。厳格を通り越してただの横暴だろこんなん』
『エース』
エース『ん?』
『後ろ』
エース『でえっ!寮長!』
エースが振り返ると、正に今話題としていたリドルが腕を組みながら仁王立ちでこちらを見ていた
ケイト『おっと、リドルくん。今日も激ヤバなくらいかわい~ね♪』
リドル『ふん。ケイト、あまりお喋りが過ぎるとそのよく回る口ごと首をはねてしまうよ』
ケイト『いやいや、勘弁してよ~』
グリム『ふな"っ!?コイツ、入学式でオレ様に変な首輪つけたヤツだゾ!』
リドル『キミたちは、昨日退学騒ぎになった新入生か。人のユニーク魔法を"変な首輪"呼ばわりするのはやめてくれないか』