第8章 *先輩サウザント*
トレイ『さっきケイトも言ってたけど、この学園にはグレート・セブンに倣った寮が7つある』
・ハートの女王の厳格な精神に基づくハーツラビュル寮
・百獣の王の不屈の精神に基づくサバナクロー寮
・海の魔女の慈悲の精神に基づくオクタヴィネル寮
・砂漠の大賢者の熟慮の精神に基づくスカラビア寮
・美しき女王の奮励の精神に基づくポムフィオーレ寮
・死者の国の王の勤勉な精神に基づくイグニハイド寮
・茨の魔女の高尚な精神に基づくディアソムニア寮
『いっぱいあって頭グルグルする...』
ユウ『覚えきれない...』
トレイ『どの寮に入るかは、入学式の時魂の資質で闇の鏡が決めるとされてるけど...なんとなく寮ごとにキャラが固まってる感じはあるな』
ケイト『それはあるね~めっちゃ分かる』
デュース『キャラですか...』
トレイ『例えば...ホラ、あいつ』
トレイは辺りを見回すと、遠くに見える銀髪の獣耳が生えた生徒を見やる
ユウ『犬の耳が生えてる!?』
『あ....ジャック』
ケイト『あのゴツさは見るからにサバナクローって感じだね』
ユウ『レイラ、知り合い?』
『初日に会った』
グリム『オマエがサボってどっか行った時か!』
『サボってない。それにグリム達も銅像焦がしてたでしょ』
軽く額を小突くと"ぎゃっ!"とグリムが仰け反る
『ちょっと行ってくる...』
ユウ『レイラ!...行っちゃった』
『おはよワンちゃん』
ジャック『じゃねぇって言っただろうが野うさぎ』
『野うさぎじゃないもん』
ジャック『家うさぎ』
『.....』
無言で足をタンタンと鳴らし、それが苛立ちの表現だと分かったジャックは堅い表情を少し緩める
ジャック『レイラ』
『ん、ジャック』
ジャック『飯か?仲間はいんのか?』
『いるよ、あっち』
ジャック『そうか...』
『あ、ジャック、耳』
いち早く続きを察したジャックは言い終わらない内にスタスタとその場を去って行った
『また触り損ねた...』
今度は、と胸に決意すると、ユウ達の元へと戻る。だが、そこには一人知らない生徒が加わっていた