第57章 *合宿スタート*
オンボロ寮・玄関
ルーク『ボンジュール!ユウくん、レイラくん、グリムくん。これから4週間、お世話になるね。よろしく頼むよ』
グリム『これもツナ缶のためだ。しかたねぇんだゾ』
ギィッと少しオンボロ寮のドアが軋んだ音をたてながら開かれると、そこには合宿用の荷物を抱えたルークとヴィルが先陣を切り、その後ろからエーデュースコンビやスカラビアの二人も顔を覗かせながら、オンボロ寮へと足を踏み入れた
ユウ『いらっしゃい』
『オンボロ寮にようこそ』
ヴィル『あら、思ったより綺麗にしてるのね』
エペル『お邪魔します..』
カリム『おお、なんか天井が低い屋敷だな。魔法の絨毯に乗ったらすぐ頭をぶつけちまいそうだ』
ジャミル『はぁ..まず、屋内で飛ぼうとするな』
『カリムさん、ジャミさん、いらっしゃい』
嬉しそうに二人に抱きつくと、カリムは笑顔のまま、ジャミルは照れくさそうにしながら、二人の片腕ずつで抱き締め返した
カリム『おう!世話になるぜ』
ジャミル『..ユウ、悪いが俺の部屋はカリムと同じか隣の部屋にしてくれないか?鏡舎を通らない分、セキュリティが甘いからな』
カリム『相変わらず心配性だなぁ、ジャミルは。学園内で刺客に狙われたことなんか、入学以来一度もないだろ?』
ジャミル『別にお前の心配をしてる訳じゃない。お前に何かあれば従者である俺の立場が悪くなる。昨日まで平和だったからって、今日も同じとは限らないんだよ』
『何だかんだ、ジャミさんはカリムさんを守るんだね』
ジャミル『..自分のためだ。レイラ、お前も何かあれば俺の部屋に来い』
『守ってくれる?』
ジャミル『勿論』
『何かなくても、行ってもいい?』
ジャミル『寧ろ歓迎するぞ』
カリム『オレの部屋に来ても良いぞ。お前を抱き締めて眠れたら、きっとぐっすり眠れそうな気がするんだ』
『ん。私もカリムさんと寝てみたい』
ジャミル『...』
手に力がこもり、眉をひそめて仲睦まじそうに話している二人を睨み付けていると、その視線にも気づいたレイラはそっと顔をあげる
『ジャミさんもやきもち?』
ジャミル『("も"?)..あぁ、そうだな』