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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第57章 *合宿スタート*











ーーーー合宿初日




オンボロ寮



ユウ『今日からいよいよ合宿だね』


『ん...エースたち来るの楽しみ』



エースたちが来る前に少しでも、と始めた空き部屋の掃除をしながら嬉しそうに耳を揺らしていると、一緒に掃除をしていたユウの顔が僅かに曇った


ユウ『..エースたちの部屋で寝るつもり?』


『4週間もあるから少しくらい..ダメ、かな?』


ユウ『僕の気持ちも知らないで..』


『ユウ?..っわ..』


互いが持っていた箒がカタンと音を立てて床に転がった。ユウはレイラを抱き寄せ、まるで駄々をこねるように強く抱き締めて首もとにすがりついた


ユウ『...はぁ..ダメだな、僕は。レイラと一緒に寝るのがすっかり当たり前になって..僕の方が君に隣にいてくれないと寝られないようになっちゃった』


『やきもち?』



レイラの問いにユウは黙って頷いた。向けられる嫉妬にレイラは目の前のユウに愛おしさを感じずにはいられなかった


『やきもち焼くユウ、可愛い。ユウがダメって言うなら、行かないよ?』


ユウ『....僕にレイラを縛る権利なんてない。でも、やっぱり誰にも譲りたくないな..』



二つの感情がぐるぐるとユウの脳内を巡っていく



誰にも渡したくない。一緒に寝られるのは自分の特権



そう思っている反面、



レイラの好きにさせてあげたい。彼女の意思を尊重しなくてはいけない。とも思っていた



少し唸るように考えた後、ユウは困ったような表情で、答えを待つレイラの深紅の瞳を見つめた



ユウ『..分かったよ。エースたちのところで寝ても良い。でも、出来る限りは僕の隣にいて。監督生命令ね』


『ん』


小さく頷くと、ユウの背に腕を回して抱き締め返して。伝わる温もりと規則正しい鼓動に身を委ねていると




ビーー!!



突然玄関のチャイムを鳴らす音が聞こえ、二人は名残惜しそうに身体を離して玄関へと向かった


グリム『おい、あいつら来たんじゃねぇか?』


談話室で寝ていたグリムもチャイムに気づいたのか、ヒョコっと顔を出すと、二人の後ろについていくように玄関へと向かう




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