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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第56章 *抜擢アロー*














ルーク『八つ当たりはいけないよ、ヴィル』


ルーク『..何のこと?アタシは八つ当たりなんてしてないわ。あの子が余りにも腑抜けてるから、』


ルーク『誰も兎の君の事とは言っていないさ』


ヴィル『....』



かまをかけたルークの策にまんまと乗ってしまったと気づいたヴィルは、口を閉ざして恨めしそうに睨み付ける。そんな刺すような視線にも動じず、ルークはにこやかに話を続けた



ルーク『君の事だ。それもあながち嘘ではないことは分かっているよ。けれど、本当は別の意味があったんじゃないかな?』


ヴィル『詮索する男はモテないわよ』


ルーク『失礼。だが、それでは余りにも不自然でね。今までにああいう消極的な人間を大勢見てきたはず。そんな相手には、普段の君なら言葉すらかけないだろう。何故彼女にだけはああも冷たく当たったんだい?』


ヴィル『それは....VDCは絶対に負けられないステージ。だから..』


ルーク『本当は、"オーディションで彼女の輝きを見たかったから"じゃないのかい?』


ヴィル『...!』




ルークの問いかけにヴィルは思わずその場に立ち止まり、驚愕に目を丸くしながら数歩先で立ち止まり振り返るルークを見つめた


ヴィル『..そんな訳ないでしょ。確かに見目は良いけど、あんなの芸能界ならごまんといる』


ルーク『ノンノン。見目も大切だが、真に価値あるのは内に秘めた輝きさ。君は一目見たときから兎の君の輝きを感じ取ったんじゃないかな?そしてそれを君はどうしても見たくなった。

なのにそれを自覚しない彼女はオーディションを受けることはせず、挙げ句に自信のない言葉を紡いだから..君はどうしても許せなかったんじゃないかい?』




ルーク問いかけ続けるが、その瞳は既に確信をついたと言わんばかりに向けられ、ヴィルは一度俯いて床を見つめて考えていた


そして顔をあげると、また軽やかな足取りでルークの横を通り、先頭をきって歩きだした




ヴィル『...ルーク』


ルーク『なんだい?ヴィル』


ヴィル『確かにそうかもしれない。でも...いいえ、何でもない。このことは黙ってなさい。いいわね』


ルーク『ウィ。麗しき毒の君』


ヴィル『エペルもよ』


エペル『は、はい...』







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