第56章 *抜擢アロー*
エース『えっ、レッスンは強化合宿が始まったらじゃないの?』
ヴィル『うぬぼれないで、新ジャガ1号』
キッ!と鋭い視線を向けられ、エースは思わずビクッと肩を震わせた
ヴィル『あんたたちは歌も踊りもまだド素人。1分たりとも無駄にできる時間はない』
ルーク『いいね!我らがNRCトライブの旅立ちを祝し、汽笛代わりに一曲奏でようじゃないか』
エペル『.....』
ヴィル『さあ、音楽をかけてちょうだい。"Piece of my world"!』
ユウ『じゃあ、いきまーす』
ユウがボタンを押して曲を再生すると、課題曲と同じ"Piece of my world"が流れ始め、突然ながらもエースたちはヴィルたちの後ろに並び、曲に合わせて踊り始めた
デュース『はぁ...つ、疲れた..』
エース『はぁ、はぁ...ちょ..休憩ちょーだい』
ヴィル『まだ二時間しか踊ってないのにだらしないわね。仕方ない、10分休憩にするわ』
床に寝転ぶエーデュースコンビに軽くため息をつくと、ルークたちを連れて涼しい顔でボールルームを出ていった
エース『あ"~っ..ちょっとハード過ぎねぇ?』
デュース『ぶっ通しだったな..息をつく暇もない』
カリム『更にヴィルからの指摘がバンバン入ってくるからなぁ』
ジャミル『...そういえばユウ、レイラはどこに行った?』
ハードな練習の後、真っ先に自分達を癒してくれる姿が見えないことに疑問を浮かべたジャミルは辺りを見渡しながら尋ねた
ユウ『レイラはみんなのために水を買いに行きましたよ。本当は僕もついていってあげたかったんだけど..まぁ、グリムが一緒にいてくれるから心配はないけど』
ポムフィオーレ寮・廊下
一方、レイラはグリムと共にボールルームへと戻るためにゆっくりとした足取りで廊下を歩いていた。両手には外の自販機で買ってきた水の入ったペットボトルを抱えている
『そろそろ休憩入ったかな?グリム、ついてきてくれてありがと』
グリム『オメー1人じゃまた変なことに巻き込まれるかもしれねぇからな。このグリム様が仕方なしに守ってやるんだゾ』
『んふふ、頼りにしてる』