第56章 *抜擢アロー*
デュース『い、いきなりそんなこと言われたって..』
エース『やば..初っぱなからメンバー降りたくなってきた..』
カリム『寮まぜこぜで合宿なんて、すげー面白そうだな!でも、オレとジャミルが二人とも寮を空けて大丈夫なのか?』
学園長『それについてはご心配いりません。学園長の権限で、参加メンバーを全面的にサポートさせていただきます。私、とーっても優しいので。学園としても、君たちには他校を下し"世界一"の称号を手に入れてもらいたいですからね』
グリム『待つんだゾ。オレ様たち選抜メンバーじゃないのに、何で協力してやんなきゃいけねぇんだ!?絶~っ対にお断りなんだゾ!』
何も得がないのに協力する義理がない、という苛立ちをぶつけるように下から睨み付けると、クロウリーはわざとらしく首をかしげた
学園長『おやグリムくん。そんなこと言って良いんですかね?もし寮を合宿所として提供してくれたら、凄く良いことがあるかもしれないのに...』
グリム『ふなっ?な、なんなんだゾ。その良いことって..』
ヴィル『もしチームが優勝した暁には、アタシとルーク二人分の賞金をオンボロ寮に寄付するわ』
ユウ『えっ..どうしてですか?僕たち、出場しないのに..』
ヴィル『アタシはそんな雀の涙みたいなギャラ、興味ないもの』
ルーク『ヴィルのために働いてくれるサポートメンバーに礼を尽くすのは、当然のことさ』
『ユウ、グリム..あの二人の分もらったら、約142万マドルだよ』
グリム『ふなっっっ!?それって..ツナ缶が4000個よりいっぱい帰るんだゾ!?』
学園長『空いている部屋を提供し、サポートするだけでチャンスが手に入るのに絶~っ対に嫌なんですよね。オンボロ寮を宿舎にして良いなら、水回りなども経費でリフォームしようかなぁと思っていたんですがねぇ』
ユウ『そういえばうちの水回り、まだそこまで綺麗じゃなかったよね』
『ん..直したけど、まだちょっと使いづらい』
学園長『はぁ~、非常に残念です。この話はなかったことに...』