第56章 *抜擢アロー*
寮に足を踏み入れられたユウたちだったが、行く先々でポムフィオーレの寮生たちに立ちはだかれ、中々目的のボールルームへたどり着けないでいた
倒したと思えば次の生徒が現れては勝負を仕掛けられ、次第にエースたちに疲労の色が見え始めていた
ユウ『見えた。あの先がボールルームだ』
グリム『また変なやつらが来る前に早く入るんだゾ!』
バタバタと急いでボールルームへの扉まで走り、逃げ込むように中へと滑り込んだ
ポムフィオーレ寮・ボールルーム
デュース『はぁ、はぁ..やっとボールルームにたどり着いた!』
エース『はぁ、はぁ..何でこんな目に遭わないといけないわけ?』
ヴィル『それは、あんたたちが選抜メンバーになったからこそよ』
荒くなった息を整えていると、ボールルームの奥からヴィルが輝きを纏いながら現れた。後ろにはルークとエペルも控えるように立っていた
ヴィル『どうやら脱落者はいないようね。ひとまず合格』
カリム『ヴィル、こりゃ一体どういうことだ?』
ヴィル『どうもこうもないわ。ただのウォームアップよ。全身運動で身体が温まったでしょう?直ぐ様レッスンがスタートできる。
いいこと?これからアタシたちは、ナイトレイヴンカレッジの代表として、ボーカル&ダンスチャンピオンシップという戦いの場で世界一を目指すの。あの程度の障害を突破できないメンバーはいらない。大会に向けて、既に戦いは始まってるの。
今この瞬間から、お遊び気分は許さないわ。ビシビシ鍛えていくから覚悟なさい!』
カリム『お、おう..!?よく分かんないけど、分かったぜ!』
ルーク『おや、毒の君。最初からフルスロットルだね。君の輝きに目が眩んで、みんな動けなくなってしまっている。ふふふ』
ヴィルの堂々たる立ち振舞いにうっとりしながら、ルークはそっと横に並び立つ
ルーク『選抜メンバーの諸君、まずは合格おめでとう。ブラボー!エースくん、デュースくん、カリムくん、ジャミルくん、エペルくん。そして、私とヴィル。我々7名は今日から仲間(トライブ)だ。VDC当日まで、どうぞよろしく。
ほら、ムシュー・姫林檎もご挨拶を』