第56章 *抜擢アロー*
ーーー翌日
外廊下
オーディション結果の発表の日、エースたちはいつも通り午前の授業を終えて外廊下を歩いていた
エース『はぁ、魔法史で居眠りしたらトレイン先生に見つかって、宿題増やされた~』
グリム『あいつ、宿題を上乗せするために、オレ様たちを眠らせる魔法を使ってるに違いないんだゾ』
デュース『僕は眠らないように手首に輪ゴムをつけてるぞ。眠くなったら引っ張って弾く』
エース『そこまでするかぁ?ーーあ、ところでさぁ。確か今日ってボーカル&ダンスチャンピオンシップのオーディション結果発表日じゃなかったっけ?』
グリム『もうすぐ昼休みだってのに、知らせが来ねぇんだゾ』
デュース『現段階で特に何もないなら、落選したんじゃないのか?』
ユウ『まぁ、もう少し待ってみようよ』
『今から来るかも...っ!!みんな止まって!』
突然感じた危険の気配に、耳をビっと立てると声をあげてユウたちを引き留めた
その時、
ヒュゥゥウウウ...ターン!
『『『うわあああ!?』』』
廊下の外からキラリと光るものがあったと同時に、風切り音と共に一本の矢がエースたちの顔面スレスレを通って壁に突き刺さった
エース『な、なにっ!?何が飛んで来たの!?』
デュース『鼻先スレスレを通りすぎていったぞ!?』
ユウ『そ、外から矢が飛んで来た!?』
『危なかった....ん?なんか紙が結ばれてるよ』
ほっと胸を撫で下ろしながら矢に結ばれた紙に気づいたレイラが指すと、エースは警戒しながらも矢から紙を外した
デュース『なんだと!?果たし状か!?』
エース『お前、なんでも喧嘩に直結させんのやめろよ。どれどれ...』
拳を握るデュースに呆れながら、エースはたたまれた手紙を開いてそこに書かれた文章を読み上げた
"ボーカル&ダンスチャンピオンシップのオーディションにご参加いただきありがとうございました。厳正なる審査の結果
エース・トラッポラ、デュース・スペード
上記二名を合格とさせていただきます
つきましては本日の放課後、ポムフィオーレのボールルームにお越し下さい"