第54章 *申請ハリー*
デュース『にしても、どうして僕たちのクラスと出席番号を!?』
エース『それどころか何で身長まで!?』
ルーク『ふふふ。狩人として学園の生徒の種族と全長くらいは把握しておかないとね。いざという時に、困るだろう?』
ユウ『いざ..とは?』
『ぅぅ...』
ルーク『意思表明さえしてくれれば、特に申し込み書類などは必要ないよ。3日後の放課後、ポムフィオーレのボールルームでオーディションを行う。忘れずに来てくれたまえ』
『『『はーい』』』
レオナ『おい、いつまで俺の席の周りでウロチョロする気だ。さっさと散れ』
ルーク『そうだ、レオナくん!君もVDCのオーディションに出場してみないかい?身体能力は申し分なし。君の体格ならきっとダンスも映えるはずさ。良く響く声も素晴らしい。獅子が歌う姿は夕焼けの草原でも見かけたことがないけれど、きっと迫力があるに違いないね』
ルークの誉め言葉を交えた誘いにも、レオナはふいっとそっぽを向いて当たり前のように断った
レオナ『そんなお遊戯会、誰が出るか。しかも、あの口うるせぇヴィルがいるんだろ。絶対にお断りだ』
ルーク『都会的な美を持つヴィルと、野生的な美を持つレオナくん。二人が共に歌い踊る姿はさぞ美しいだろう。趣が異なる美の共演、実にトレビアンだね!』
レオナ『ちっ。本当に他人の話を聞く気が微塵もねぇなこいつ...』
エース『とにかく申し込みも無事終わったし、オレたちは早く戻ろうぜ』
デュース『そうだな。キングスカラー先輩、ハント先輩、失礼します』
レオナ『さっさと行け』
ルーク『では当日、楽しみにしているよ!』
ユウ『さあ、レイラも帰ろう?』
『ん...っとと..』
ユウに呼ばれてレオナの腕から離れようとしたが、肩を抱く力が強く上手く立ち上がれないでいた
『レオさん?』
レオナ『帰る前に何かあるだろうが』
『えっと...』
何をすればいいか分からず焦っていると、レオナの指が顎をとらえ、そのまま親指がゆっくりと唇をなぞった
『ん...』