第54章 *申請ハリー*
エース『ラギー先輩、タンポポ食ってたの!?つかそれ、敬意じゃなくね!?』
レオナ『あいつ、本当に腐ってなきゃ何でも良いのか。まさか俺にも食わせてねぇだろうな..?』
身近な相手の食偏に、さすがのレオナも思わず頭を抱えて悩んでしまった
ルーク『ノンノン、毒じゃないんだ。好き嫌いは良くないよ、獅子の君』
『タンポポ...美味しいかな?』
レオナ『お前は止め....いや、お前なら食っても問題ねぇのか。だが止めとけ、食うならせめて食用のやつにしろ』
『はーい』
グリム『今度オレ様も食ってみるんだゾ!』
デュース『だから、拾い食いをするのはやめろって何度も言ってるだろ』
エース『...はっ!ルーク先輩のペースに流されてたけど、そんなことよりオーディションの話!』
エースの言葉で思い出したように、デュースも気づいて慌ててルークにオーディションの話を切り出した
デュース『そうだった!ハント先輩、僕たちVDCのオーディションに申し込みをしたいんですが』
ルーク『おっと失礼。話が脱線するのは私の悪いクセだ。君達はハーツラビュル所属、1-A・25番ヒト属の全長172cm、エース・トラッポラくんと..同じく1-A・24番、ヒト属の全長173cmのデュース・スペードくん』
ルークは二人の情報をそれぞれを見ながら言うと、今度はユウたちへと視線を向けた
ルーク『そしてオンボロ寮所属のヒト属ユウくんと、体長70cmの魔物、グリムくん。最後に...ウサギ獣人属の、レイラ・フィリアスくん...だね』
『っ...!!』
細められた視線を向けられた瞬間、中庭で感じたものと同じ寒気が背中を一気に駆け上がり、側にいたレオナへとすがりついた
レオナ『...おい、こいつに何しやがった。場合によっては今ここでてめぇを砂にしてやる』
レイラの異変を感じたレオナは、まるでルークから守るようにその身体を抱く力を強め、今にも喰い殺さんとばかりの威圧と鋭い視線を向けた
ルーク『彼女には何もしていないよ。けれどいきなりで不躾だったかな。失礼、マドモアゼル。怯えさせるつもりはなかったんだ』
苦笑しながら腰を折って謝罪すると、レイラは埋めていた顔を少しあげると、小さく首を振った
『ううん、私こそ..ごめん』