第8章 *先輩サウザント*
小さく一口大に切り分けられたハンバーグをフォークで刺すと、レイラの口元に近づける
『...どうしても食べなきゃダメ?』
ユウ『ダメ。僕はレイラの体を心配してるんだ。ただでさえも細いのに、これじゃいつか倒れちゃうよ』
エース『そーそー。オマエ、ドワーフ鉱山の時に抱えてホント、ビビるほど軽かったぞ。ちゃんと食べろよ?』
エース達の視線を受けて、レイラは渋々口を開けるとハンバーグを食べた
ユウ『どう?』
『....美味しい、かも。ぅん...』
ユウ『良かった...』
良い子だね、と頭を撫でられ、嬉しさに耳がピコピコと動く
ユウの昼食と自分の昼食を半分こしながら、美味しそうに食べるレイラの姿を見ながら、エース達も嬉しそうに食事を堪能した
グリム『はぐはぐ!ところでオマエ達の寮は今朝見たけど他の寮ってどんなのなんだゾ?』
昼食を頬張りながら尋ねるグリムの後ろから、答えるように聞き覚えのある声が聞こえた
ケイト『学園のメインストリートにグレート・セブンの石像が立ってたじゃん?あの7人に倣ってこの学園には7つの寮があるんだよ』
エース『げっ!アンタは今朝の!』
グリム『オレ様達を騙してバラに色を濡らせたヤツなんだゾ!!』
ケイト『騙したなんて人聞き悪いなあ。オレもやりたくてやってる訳じゃないんだよ?寮の決まりだから仕方なくやってるだけで』
デュース『めちゃくちゃ笑顔でしたけど』
『あ、入学式の時のお兄さん...』
エース達がケイトに食ってかかる間に、ケイトの隣に立っていた眼鏡の青年に気づいたレイラは、席を立ち青年に近寄った
?『お...あの時の嬢ちゃんか』
『ありがと...助けてくれて。落ち着いた場所でちゃんとお礼言いたかった』
?『真面目だな嬢ちゃんは』
『レイラ...嬢ちゃんじゃない』
?『嬢ちゃんだって俺に名前聞いたのに結局お兄さん呼びだったろ?』
ニッコリと圧を感じる笑顔にムゥと頬を膨らませる
『....トレイ、お兄さん...』
トレイ『ん、上出来。でも、お兄さんはいらないぞ。トレイでいいよ』
優しい声に促されるように、"トレイさん..."と呼ぶと、嬉しそうに頭を撫でられた