第54章 *申請ハリー*
ジャミル『そうだ、君たちもうオーディション参加の申し込みはしたのか?』
グリム『え?なんだそれ?』
キョトンと目を丸くするグリムに、やはりか..とジャミルは軽くため息をついた
ジャミル『やれやれ、君たちもうっかりしていそうなタイプだし、もしやと思っていたが..確認しておいて正解だった』
カリム『あっはっは!さすがはジャミル。よくそんなこと気づくよなぁ』
ジャミル『日頃から、どこかの誰かさんのおかげで慣れっこだからな。VDCのオーディションには事前に申し込みが必要だ。3年A組のルーク・ハント先輩が受け付けている』
エース『あ、そういえばそんなことポスターに書いてあったっけ』
ジャミル『オーディション前日が申し込み期限のはずだ。忘れない内に済ませておけよ』
デュース『はい、ありがとうございます!』
ジャミル『ルーク先輩は、金髪のおかっぱ頭に帽子がトレードマークだ。まあ..きっと会えばすぐ分かるさ』
そう言って少し眉をひそめたジャミルに疑問が浮かんだエース達だったが、昼休みが終わる前に早速申し込みに行こうと体育館を後にした
3-A教室
デュース『3-A..ハント先輩の教室はここか。上級生の教室に来るのって、少し緊張するよな』
初めて踏み入れた上級生だらけの教室にデュースは身を固くした。一方同じく緊張&人見知りを発動したレイラは、ギュッとユウの腕に体を寄せた
『知らない人ばっかり...怖い』
ユウ『(可愛い..)僕の背中に隠れてていいよ』
『ん』
エース『しかも他寮の上級生とか、あんま交流ないしね。ハーツラビュルの先輩探して、呼んでもらおっか』
エースが教室を見渡して自分の寮の生徒を探していると、グリムは視線の先に見知った人物が座っていること気づき、大きく手を振って声をかけた
グリム『おっ?待てよ、あそこにいるのは..おーい、レオナ~!!ちょっとこっち来るんだゾ!』
レオナ『....あ"ぁ?』