第53章 *公募アナウンス*
アズール『ふふ、そうでなくてはね。カリムさんに解雇されたら、いつでもオクタヴィネルへどうぞ。ジャミルさんほど有能な方なら大歓迎だ。勿論、レイラさんも大歓迎ですよ』
ジャミル『それはどうも。何があってもオクタヴィネルにだけは絶対転寮しないけどな』
『私もしないよ。遊びには行くけど』
アズール『残念ですね。というかジャミルさん、貴方いつまで彼女を抱えているつもりですか?』
ニコニコしていた表情を一変させ、未だに片腕に抱いているレイラを見て、アズールの顔が曇り始める
ジャミル『ふん、別に良いだろう?レイラは誰のものでもないんだ。俺がこうして抱きしめても問題ないはずだが?』
アズール『...それは宣戦布告というものですか?』
ジャミル『俺はレイラが"好き"だからな。そう捉えてもらってかまわない』
アズール『ほう...』
『二人とも仲良しだね』
ユウ『いや、違うと思うけど』
二人の間に見えない火花がバチバチと散っていると、掃除を終えた3人がモップを片付けて戻ってきた
カリム『おーい、お前ら~。もうそろそろ行かないと午後の授業遅れるぜ!』
アズール『カリムさんに急かされるとは...ですが確かにその通りですね』
ジャミル『アズールなんかと話している場合じゃなかった。早く課題のプリントを取りに行かないと』
エース『げっ、オレらの次の移動教室、西校舎で遠いじゃん』
デュース『急ぐぞ、ユウ、レイラ、グリム!』
グリム『ふなっ!お前ら、待つんだゾ~!』
我先にと駆けていってしまったエーデュースコンビを追いかけて、グリムが遅れて体育館を後にした
ユウ『あ、置いてかれた。レイラ、僕たちも急ごっか』
『ん。でもその前に..』
ジャミル『!?』
レイラは目の前のジャミルの唇に背伸びをしてそっとキスをすると、呆然する彼を置いて今度はアズールへと同じようにキスをした
アズール『なっ..//!?』
『えへへ..またね、二人とも』
ユウ『...ほら、行くよ』
『ん』
ジャミル『顔が赤いぞ』
アズール『ジャミルさんこそ』
『『(不意打ちは卑怯だろ...//)』』