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【ツイステ】黒兎は駆け巡る

第53章 *公募アナウンス*





ジャミル『当然、俺を副寮長の座から降ろそうとしていた。だが、カリムがそんなあいつらに言ったんだ。"副寮長を変える気はない""もう少しだけ時間をくれ"ってな』


『カリムさんが...』


ジャミル『寮長であり一番の被害者なカリムが言ったからな。寮生たちも渋々だが納得した。それもあって、その後も付かず離れず適当にやっている』


『良かった...ジャミさん今までと同じでいられるんだね』


心からの安堵の表情に、ジャミルは小さく笑うとレイラの髪の毛先を指に絡めてクルクルと弄りながら話を続けた


ジャミル『スカラビアは"遠謀深慮"がモットー。どいつもこいつも結論を急ぐのは避けて、誰につくのが得か、注意深く動向を窺ってるんだろうさ。俺や、カリムも含めてな』


アズール『ふふ、実にスカラビアらしい。みなさん、とんでもなく面の皮が厚くていらっしゃる。あんなことがあったのに、よく一緒にダンスなど踊れるものだ』


ジャミル『ふん、何とでも言え。俺の場合、オーバーブロットの件で寮内外からの評価が地に落ちてるからな。スカラビア内外での地位向上のために、暫くは大人しくカリムに従っておくつもりだよ』


アズール『ふふ、きっと寮生たちは虎視眈々と貴方の席を狙っているんでしょうね。性格の不一致さえなければ、カリムさんは仕えるのにこれ以上ない、魅力的な主だ。

いずれ彼が継承する"数々の財宝"。それは現代社会において、魔法よりよほど万能に近いパワーを持っていますから』


『ん~...』


アズール『どうしました?』


『難しいこと..分かんなくて』


アズール『ふふ、その内理解できるようになりますよ』





ジャミル『..ホリデーの計画は俺にとって一世一代の勝負だったし、失敗して人生全部ダメになったと思った。でも、結局そんなに変わっていない..."ありがたい"ことにな。カリムに解雇されない限りは、俺は従者の席に居座り続ける。

せいぜい、俺の有能な働きぶりを周りのやつらに見せつけ続けてやるさ。

カリムにも、寮生にも、両親にも、アジーム家にも...お前らにもな』


グリム『ジャミル、オメー、ホリデー前と後でキャラが変わりすぎなんだゾ』


『でも、今のジャミさんの方が好き』





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