第53章 *公募アナウンス*
体育館
翌日の昼休み、ユウたちは運動着に着替えた状態で体育館に集まっていた
エース『全ての動きがドタバタしてて見苦しい。美しさのカケラも感じられない』
グリム『100点満点中5点!っか~~~!!腹がたつんだゾ!』
『二人とも似てた..上手』
エース『そりゃどうも』
グリム『絶対にオーディションで華麗なダンスと歌を魅せつけて、"代表選手になってくださいグリム様"って言わせてやるんだゾ!』
昨日ヴィルに言われた事を思いだし、グリムとエースはその時の怒りが段々と込み上げてきていた
エース『おーよ!....で、デュース。お前もオーディション受けるって、どういう心境の変化?』
デュース『僕だってああまで言われちゃ腹が立つ!それに..ちょっとあいつのことが気になって』
エース『あいつって、エペルのこと?』
デュース『ああ。自分からボーカル&ダンスチャンピオンシップに参加希望しているようには見えなかった』
『ん..嫌がってた。あの綺麗な人に怯えてて』
ユウ『確かに、少し気になる感じではあったね』
デュース『あいつ..僕とぶつかった時、泣いてたんだ。嫌なのに無理矢理させられているんだとしたら、優等生として無視はできない』
『デュース、カッコいい』
デュース『あ、ありがとう..//』
エース『自分で優等生って名乗っちゃってるとこが優等生じゃないとは思うけど。確かにエペルって見るからに気が弱そうだし、渋々練習してんなら可哀想かもね』
『じゃあ、エースたちがあの子よりカッコいいとこ見せてたら、あの子が出なくて済むかもね』
エース『それって、エペルを落とすってこと?』
『ん』
エース『ははっ、レイラもワルい考えし出した♪ま、そういうところ好きだけどさ。だったらオレらでその席もらおうぜ』
グリム『よーし!じゃあまずはダンスの特訓から始めるんだゾ!ユウ、音楽かけろ!』
ユウ『はいはい、かけるから三人とも並んで』
ユウはポケットからスマホを取り出すと、課題曲である"Piece of my world"を動画サイトから検索すると、音量を大にして再生した