第53章 *公募アナウンス*
学園長『ファイナリストには様々な芸能事務所や音楽レーベルからデビューのオファーが殺到。一躍トップスターの仲間入りも夢ではありません』
本気のバトルなのだと高らかに説明するクロウリーの言葉にエースたちも納得していた
一方、賞金があればどれだけツナ缶が食べられるんだと、獲らぬ狸の皮算用状態のグリムは山分けしても高額予想の金額にワクワクすると、ユウの前で手をバタバタと動かした
グリム『なあなあ、ユウ!オレ様この大会に出たいんだゾ!』
ユウ『ならまず、オーディションに受からないと』
学園長『学校によっては、合唱部や軽音部所属の生徒から代表を選ぶそうですが..我がナイトレイブンカレッジは、全生徒からオーディションで代表を選びます』
今年は誰が代表になるか、楽しみですね~と言いながらクロウリーはニコニコしたままその場を去っていった
エース『オーディション審査の課題曲は、"Piece of my world"。参加申込みは、3-Aルーク・ハントまで、か。へぇ~、面白そうじゃん!今度の文化祭、オレら運動部は裏方作業ばっかで楽しくなさそうだし、試しに受けてみねぇ?』
審査に受かれば裏方作業をしなくてすむ、と調子の良い考えに笑みを浮かべるエースの傍らで、"賞金が手に入れば家計の助けに"と真逆な考えをしていたデュースだったが、顔をしかめて静かに首を横に振った
デュース『運動は苦手じゃないが、歌と踊りは全然やったことがない』
エース『課題曲の"Piece of my world"去年めっちゃ流行った曲だから、マジカメに踊り方の解説動画とかいっぱいあがってるじゃん。簡単なやつならパパっと覚えられるでしょ』
グリム『ふなっ!ユウがスマホ買ったから最近はマジカメが見られるんだゾ。よーし、オレ様も練習してオーディション受けてやるんだゾ!』
ユウ『うーん、グリムの踊りはある意味ウケそう』
『歌声は想像つかないね』
デュース『僕はやめておく。オーディションを受けたところで受かる気がしないしな』
エース『えーっ、ノリ悪っ』
デュース『まず、真剣にテッペン狙ってないやつが冷やかしにいくべきじゃない』
エース『オーディション受けるくらい、そんな身構えなくても良いと思うけど..』