第52章 *ポムフィオーレ寮編~美貌の圧政者~学祭スタンバイ*
ジャミルはそっと顔を近づけると、ハンカチで拭くわけでも指で拭うでもなく、そのままキスするように唇を寄せるとチロっと覗かせた舌先でゆっくり舐めとった
『ん...』
ジャミル『とれたぞ』
『あり、がと...//』
ジャミル『どうした?顔が少し赤いな』
ほんのりと頬が染まる様子に気分を良くしたジャミルはニヤリと笑うと、レイラの腰に手を添えると優しくその場に押し倒した
後方にクッションがあったため痛みはなかったが、ジャミルの突然の行動に動揺が隠せないでいた
『ジャミ、さん..?』
ジャミル『今ならカリムもいない、寮生もここには近づかないだろう。なら、今だけはお前を俺の好きにできる』
『なに...んっ..』
優しく、けれど逃げられないキスに塞がれ、言葉は最後まで紡がれることはなかった。両手首を押さえつけられ抵抗できないままでいると、ふと唇が離れ美しい黒曜石の瞳と至近距離で見つめ合った
『ジャミさ..だからキスは、好きな人同士じゃないと..』
ジャミル『...分かってる』
『なら...んっ..』
ジャミル『(だからこそキスしてるんだろうが。早く気づけ...)』
『ん...ぅ..っぁ...ん..ふっ...//』
ジャミル『っ..//』
僅かに空いた隙間から舌を滑り込ませ、優しく絡めとると分かりやすく身体を震わせて反応する
その姿にゾクッとした感覚が背中を駆け、ジャミルはレイラの髪を撫でながらキスを続けた
『ん...はぁっ...//』
ジャミル『はっ...たまらないな』
『ジャミさん..//』
ジャミル『好きな人同士ならしていいんだろ?なら問題ない』
『でもそうしたらジャミさんは、私のこと..』
ジャミル『....あぁ、そうだ』
『..む、ちゃんと言葉で言って』
むくれる頬に思わず笑うと、身体を倒してレイラの身体を抱きしめて耳元で愛の言葉を囁いた
ジャミル『..好きだ。俺は、レイラ、お前が好きだ』
レイラは一度彼の真剣な瞳をじっと見つめて何かを考えていた。そして今度は嬉しそうに目を細めてジャミルの首に腕を回して自ら口づけた
ジャミル『っ//レイラ..』
『ありがと、凄く嬉しい...』