第52章 *ポムフィオーレ寮編~美貌の圧政者~学祭スタンバイ*
その日の放課後、鏡の間では文化祭の運営についての寮長会議が行われていた
運営委員長のリドルを筆頭に運営方針などについて話し合いがされる中
?『またマレウスが来てないみたいだけど?』
リリア『すまんな。昼休みまでは居場所を掴んでおったのだが..放課後になったらふらりと姿を消してしもうた』
?『ここまで来ると、わざとなんじゃないの?』
浮遊するタブレット越しに聞こえるボソボソとした声に、リリアは少し眉をひそめて弁明した
リリア『そう言ってくれるな。わしら妖精族の時間感覚は人間と少しばかり違うのじゃ。それに..あやつにはちと厄介な因果がついてまわっておる』
カリム『あっはっは、分かるぜ!オレもよく会議があるの忘れてジャミルに怒られちまう。今日のだって正直忘れててさ、ジャミルに昨日の夜言われて思い出したんだよ』
リドル『まったく君ってやつは。もう少し寮長の自覚をもったらどうだい?』
カリム『悪い悪い。はぁ~それにしても、レイラには悪いことしちまったな..』
『『レイラ(さん)だって(ですって)?』』
レイラの名が出た瞬間、一部の寮長たちの視線が一気にカリムへと集まった
レオナ『おいカリム、どういうことだ』
カリム『ん?何がだ?』
リドル『何故、そこで彼女の名前が出てくるんだい?』
カリム『ああ。実は今日の放課後はレイラがうちに遊びに来る予定だったんだ。俺の部屋でゲームして遊ぼうかって誘ったんだが、まさか寮長会議と重なるなんてな』
アズール『カリムさんのお部屋で、ですか?』
カリム『おう』
リドル『二人きりで?』
カリム『??まあ、そうなるかもな』
『『『(寮長会議ありがとう!!!)』』』
愛しい人が他の男と二人きりにならずに済んで安心し、心の中でガッツポーズをとった一部の寮長たちに、他の寮長たちは訳が分からないと首をかしげた
?『なんなの、揃いも揃って』
?『あのリドル氏たちがあんなに一喜一憂するの珍しすぎて草。つかどんだけ気に入られてんのそいつ。乙女ゲームのヒロインかよ』
リリア『くふふ..あの子も罪じゃのう』