第52章 *ポムフィオーレ寮編~美貌の圧政者~学祭スタンバイ*
チャイムと同時に教室にクルーウェルが姿を現し、教科書を片手に教卓の後ろに立った
クルーウェル『席につけ、仔犬ども。今日のホームルームは、ホリデーで緩んだお前達の手綱を引き締める話をする』
『先生だ..』
久しぶりの姿に嬉しそうに見つめると、それに気づいたクルーウェルは一瞬だけ柔らかい笑みを向け、すぐに視線を全体に戻す
クルーウェル『来る2月中旬、"全国魔法士養成学校総合文化祭"が開催されることは知っているな。その会場が、今年は我がナイトレイブンカレッジに決定した』
クルーウェルの言葉に教室がザワザワとし始める。一方グリムは何が行われるか分からず首をかしげていた
グリム『ふな?なんか祭りがあんのか?』
『文化祭だよ..予定表に書いてあった。お部屋の壁に貼っておいたでしょ?』
クルーウェル『今ざわついた仔犬ども。年度始めの九月に配られた年間予定表に目を通していなかったな。たわけ!』
パシンッ!!と指示棒をしなやかな鞭のように伸ばすと、床に叩きつけて叱咤する
クルーウェル『そんなバッドボーイどものために、もう一度説明してやろう。仔犬の躾は俺の役目だからな』
全国魔法士養成学校総合文化祭
それはナイトレイブンカレッジのような魔法士養成学校から代表生徒が集結し、2日間に渡って美術や音楽、魔法に関する研究発表や弁論大会などが行われる大規模な文化祭
クルーウェル『我が校の生徒は、四年生になると各魔法専門職の実習や研究調査のために全国へ派遣されるが..この日は四年生たちも戻ってきて成果発表も行われる』
エース『そういえば..あんま気にしたことなかったけど、オレたち入学してから1度も四年生に会ったことないね』
デュース『学外に研修に行くことだけは知っていたが..先輩方に礼を欠かねえようにしねぇと』
ユウ『確かに学園内には三年生までしかいないよね』
『今でも多いのに、更に増えるんだ...怖い』
ユウ『大丈夫。僕らが一緒にいるからね』