第51章 *閑話カームデイ9 ~オクタ+ユウ~*
夕飯を終えて、食後の紅茶を飲んでいるとモストロ・ラウンジに猛獣の影が現れた
レオナ『邪魔するぜ』
『レオさん..』
レオナの姿を確認したアズールは、すぐに立ち上がるとツカツカとレオナの元に詰め寄った
アズール『来て早々申し訳ありませんが、今回のそちらの寮生の起こした問題についてお話が..』
レオナ『ちっ。普段だったらこんなめんどくせぇことは"知るか"の一言で片付けるが、あいつが絡んでんなら話は別だ』
アズール『僕も普段ああいうマナーのない客との些細ないざこざは日常茶飯事なのでここまでしませんが、絡まれたのがあの方なのでね.....それにしても、面倒くさがりの貴方さえも動かしてしまう。本当に恐ろしい人だ』
レオナ『あいつは他の女より、よっぽど強かでおっかねぇからな』
アズール『それについては同意します』
レオナ『で、馬鹿をやった寮生についてだが..』
『お話してる』
ジェイド『よほど気に入られてるようですね』
フロイド『アンコウちゃん..カサゴちゃん..ゴマフ..ゴマちゃん』
『????』
ユウ『レイラの新しい渾名の候補だよ。写真見せてあげるね』
ユウはスマホを取り出すと、それぞれの生き物の画像を順番にレイラに見せていく
『このウミウシさん、可愛い。カサゴさんはキレイ。アンコウさんは顔ちょっと怖い、でも不思議..』
ジェイド『いっそのこと全部にしてしまうというのは?』
ユウ『レイラも僕らも混乱します』
レオナ『レイラ』
『レオさん。お話終わった?』
レオナ『ああ。今日はうちの馬鹿どもが悪かった..』
レオナは表情を少し暗くし、耳と尻尾は完全に垂れ下がっていた
『大丈夫。ジェイさんが助けてくれたし、酷いこともされなかったよ』
ジェイド『ですが腕を掴まれたでしょう。痛くはありませんでしたか?』
『その時は痛かったけど、痕も残ってないし..』
レオナ『よし分かった。あいつら砂にしておくから安心しろ』
『全然安心できない』
ポンポンと軽く頭を叩かれる感触を心地良さそうにしながらも、不穏な言葉に苦笑いを浮かべた