第51章 *閑話カームデイ9 ~オクタ+ユウ~*
それから暫くして
ユウ『あ、可愛い。見てください、このゴマフビロードウミウシって生き物、ウサギみたいじゃないですか?レイラに似てるかも』
ユウは頬を緩ませながらスマホの画面を見せると、フロイドも同じく頬を緩ませる
フロイド『あ~それ確かに似てる。ちっちゃくてウサギみたいであの子っぽいねぇ』
ユウ『そうだ。フロイド先輩、レイラがクリオネっぽくないって思ったって言ってましたよね?何故です?』
フロイド『ん?ん~...最初は、ピコピコ耳動かしてるのクリオネっぽい動きだなぁって。あと、透明なところとか柔くて脆そうってのが理由かなぁ』
ユウ『今は違うんですか?』
フロイド『オレらの時とかスカラビアの時のあの子見てたら、柔くて脆そうなのは変わんねぇけど、何となくヤバい雰囲気も入ってるって感じたんだよねぇ』
ユウ『..確かに。フワフワしてて柔らかいあの中に、得体の知れない鋭いものが入ってるって感じですよね』
フロイド『そうそんな感じ。だからオレはあの子は、カサゴとかアンコウっぽくも見える』
ユウ『カサゴ..アンコウ』
フロイド『カサゴの方はハナミノね』
ユウ『ハナミノ..あ、これですか。キレイですね..毒持ちですけど』
フロイド『あの子もキレイで可愛いっしょ?ちなみに、アンコウなのは餌ぶら下げておびき寄せるところからね』
ユウ『見た目物凄く怖いですけどね。でも、確かにこれも言われてみれば...』
と、話しているとガチャッとオンボロ寮の玄関の扉が開かれる音がしたと思うと、談話室の入り口からヒョコッとレイラが顔を覗かせた
『ただいま』
ユウ『レイラ!おかえり、随分長かったね』
心配したよ、と椅子から立ち上がりレイラに近寄って抱き締めるとすぐに背中に腕が回り、甘い心地よい匂いが鼻を掠める
ユウ『レイラ、わざと?』
『なんのこと?んふふ..』
コントロール出来るようになって、普段はしないはずの匂いがするということにユウは小さな疑問をぶつける
だが、レイラはクスクス笑いながら意味深にはぐらかし、ユウの温もりに浸っていた
ユウ『はぁ..ワルい子だなぁ..』
ジェイド『全くもってその通り。困ったものですよね』