第49章 *再会シーク*
ユウ『はい。僕達こそ、よろしくお願いします』
『リドルさん、トレイさん、ケイさん、またね..』
ユウ『あれ?ケイト先輩、行かないんですか?』
リドルたちが去っていく中、1人その場に残っていたケイトを不思議に思い尋ねると、ユウたちを振り返りニッコリと微笑んだ
ケイト『..ちょっと忘れ物♪レイラちゃん、ツーショット撮っていい?』
『??いいよ』
少し戸惑いながらも頷くと、ケイトは嬉しそうにスマホを構えながらレイラを片手で抱き寄せる
ケイト『タイマーにしてあるから、あと5秒ね。5.4.3.2..こっち向いて.』
『!!ぇ...?んっ...』
0となり、カシャッとシャッターがきられる音と同時に、レイラの視界はケイトで埋め尽くされていた
タイマーの1から0の間にケイトから声をかけられ、それに反応して顔を向けた際、待ってましたと言わんばかりに唇を奪われた
ユウ『はぁっ!?!?』
グリム『ぶに"ゃっ!!ユ"ウ"..ぐるじい..』
ケイトの思いがけない行動に、ユウは驚きの余り腕に抱えていたグリムを締めてしまっていた
ケイト『ん...ははっ、ありがとレイラちゃん♪』
小さなリップ音を残して唇を離すと、ケイトは酷く嬉しそうに頭を撫でた
『ケイさん..?』
ケイト『リドルくんたちには内緒ね?』
『..ん..分かった。内緒、ね?んふふ..』
互いにいたずらめいた表情で笑い合う。そしてケイトは頬を僅かに染めながら手を振り、先に行ったリドルたちを急いで追っていった
ケイト『またね、後輩ちゃんたち♪』
『ユウ、グリム死んじゃうよ?』
ユウ『え?あっ!!ごめん、グリム!!』
グリム『げっほげっほ!!殺す気か!!』
ユウ『いや、ケイト先輩がまさかあんなことしてくるなんて思わなくて..』
『内緒だよ、ユウ』
ユウ『うん..言わないよ。(言ったらケイト先輩に何される分かんないし、他の人達の反応も怖いし..)』
『じゃあ行こ。ユウとグリムと一緒に、お昼寝したいな?』
ユウ『よし帰ろう。今すぐ帰ろう』
無意識の上目遣いによるお願いに一気に気分が上がったユウは、レイラの手をとると足早にオンボロ寮へと戻っていった