第49章 *再会シーク*
ラギーやジャックが落ち込んだ様子のレイラを慰めるように頭を撫でる。一方レオナは、眉間にシワを寄せて誰よりもレイラの思いに心当たりがあった
自身も望まない皮肉めいたユニーク魔法に何度も悩み苦しんできたからこそ、今のレイラの気持ちが誰よりも分かっていた
レオナ『レイラ、こっちを向け』
『なに...ん..』
レオナ『どんな力だろうがそれはもうお前に宿ったものだ。だったら何がなんでも物にして自分の武器にしろ。そうすればその力はお前の爪となり牙となる』
ラギー『武器を研くことを怠るなってことっすね』
ジャック『俺らにも何か出来ることがあったら言え。少しは力になれる』
『ん...ウサギに牙ないけどね..』
3人の心遣いに僅かに笑顔が戻る。だがそれだけでも3人にとっては安心に足りるものだった
『みんな優しい...』
ラギー『そりゃオレたち、レイラちゃんのこと大好きっすからね』
『ありがと..みんなに話してると心が楽になる』
レオナ『レイラ、腕を出せ。どちらでもいい』
暫く4人でたわいもない話をしていると、不意にレオナがレイラの腕を見つめた
『??はい..』
よく分からないまま左腕を前に差し出すと、レオナは立ち上がり目の前で片膝をついてその手をとった
ラギー『え..』
ジャック『あ..』
ラギーたちは驚きを隠せないでいた。あのレオナがまるで服従と忠誠を誓うように床に膝をついて、愛おしげに一羽のウサギを見上げているのだ
『レオさんどうしたの?』
レオナ『そのまま上げとけ』
腕から手を離すと、ポケットからあるものを取り出すとそっと腕に通してつけた
『!これ...』
それはブレスレットだった。細めの黒を基調としたバングルに金色のオーナメント柄がいくつも刻印され、真ん中にはガーネットとエメラルドの2つの宝石が寄り添うようにはめこまれていた
レオナ『お前に似合うものを買ってやるって言っただろ』
ラギー『うわ..普段のアクセサリーも高いっすけど、それ特に高いやつっすよ』
ジャック『確かに..2つとも希少な宝石だ。いや、そもそもリングの部分から上質なやつじゃ..』