第48章 *剣呑マイティリー*
『[ああ、もう..また邪魔ばかり...っ!ボクはただウサギちゃんのためにやってるのに..ねぇ..]』
魔方陣の力に苦悶の表情を浮かべながら、何とかそこから抜け出そうと足を動かそうとするが、金縛りでもあったようにピクリとも動かなかった
アデライト『お前さんのそれはあの子のためじゃない..全部自分のためだろ?』
『[ははは..当たり前だよ。自分のためだし、ウサギちゃんのためでもある。あの子を素敵な化け物にしてあげないと]』
アデライト『..そんなことはさせないよ。魔方陣の力でもう動けないだろう。早くその身体をレイラに返しておあげ』
ギッと睨み付けるアデライトと未だに笑みを浮かべるレイラは、互いから視線を外すことなく見つめあっていた
だが、次第につまらなさそうに表情を冷たくすると、レイラは大きくため息をついた
『[はぁ..つまらないねぇ。悔しいけどキミの魔法はボクより強い。ユニーク魔法だってすぐ効果が切れちゃったし、まだまだ力が足りないみたいなぁ]』
アデライト『効果だって..?』
『[ボクたちのユニーク魔法が与える効果。それは目の前で見せられた恐怖を持続させて相手の動きを封じる。本来ならすぐに自我を取り戻したりしないのに、まだ慣れてないし力も足りない]』
もっと力を蓄えないとね、と腹をさすりながらペロッと舌舐めずりすると、ゆっくりと目を閉じ始める
アデライト『お待ち、最後に教えておくれ。そのユニーク魔法の真名..』
『[...ボクたちのユニーク魔法
"怨み"という感情を"愛"へと変える魔法
Bite off your heart..."愛を乞うもの"、さ]』
『酷いよ..ノア』
[そんな顔しないデ。そもそも、ボクがずっと大人しくキミの中に帰るなんてあるわけないだロ。ようやくユニーク魔法を使えたんダ..これからはもっといっぱいキミを利用させてもらウ]
『...ゃ...そんなの..』
[そして、ボクの願いとキミの願いを、叶えてみせるヨ。じゃあネ..]