第48章 *剣呑マイティリー*
アデライト『..教えておくれ。今の力がお前さんたちのユニーク魔法なのかい?』
『[あははははは!!そうさ!素晴らしい魔法だろ?闇のウサギに喰われた者に、そいつの一番大切なやつが目の前で喰い千切られて死んでいく幻覚を植え付ける]』
アデライト『レイラは"大切な人達を守る"という尊い想いでユニーク魔法を願ったのに..ということは、この子のユニーク魔法は、その想いとは真逆の"人を傷つける"という願いで..?』
『[最初こそはそれに近いね。あの子の積み重なった"怨み"は変化して、別の感情へと変わり果てた。それはこの世で最も尊く、美しく、熱く、穢れて、醜く、卑しい感情...
"愛"だよ]』
アデライト『愛、だって?』
『[そうさ。愛に焦がれた哀れなウサギのユニーク魔法は、人の精神を侵し崩壊させる魔法になった。素敵だろう?]』
アデライト『お前さんはそれを分かってたから、何も教えず大人しく引っ込んだフリをしていたんだね。疑いもなしにユニーク魔法を使わせるために。恐らくユニーク魔法をレイラが再び使うことで、お前さんに何かメリットがある..ってところかい?』
アデライトの言葉にニヤリと笑みを深めると、その場でクルクルと楽しそうに回り始めた
『[さすがは同じ黒兎。ユニーク魔法を思い出して発動してくれれば、僕自身の力も強まる。そして、ウサギちゃんをもっともっと堕とすことができる]』
アデライト『レイラを..支配するつもりかい』
『[さぁ、どうかな?あははは!!]』
アデライト『..その力は放ってはおけないね。とにかく、レイラを返してもらうよ』
『[無駄だよ。ここまで力を取り戻したボクが、キミに負けるわけ...]』
その時、突然レイラの足元から赤い光が差したかと思うと、そこに先程と同様の魔方陣が再び浮かび上がり、赤い電撃となってレイラを襲った
バリバリバリバリ!!!
『[っぁぁぁぁ!!!な、んで..さっき消し飛ばしたはず、なのに...っ!!]』
アデライト『その前にもう1つ仕込んであったんだよ。万が一青い方がダメだったときのためにね。赤い方は強力だから、無駄な抵抗はお止め』