第48章 *剣呑マイティリー*
次の日、暁の社・テラス席
アデライト『おはようレイラ』
『おばあちゃんおはよ。それなに?』
いつものようにアデライトの元を訪れると、芝生の上に謎の魔方陣が浮かび上がっているのが目に入った
アデライト『私が作った魔力を抑える魔方陣さ。お前さんにはここに立ってユニーク魔法を使ってもらうよ』
『もしユニーク魔法が暴走とか、危ないことになった時に抑えられるように?』
アデライト『察しが良くて助かるよ。事前にこうしておけばすぐに対応できるからね。じゃあそこに立っておくれ』
『ん』
アデライトに促され青白く光る魔方陣の上に立つと、光は消えて黒い痕のみがその場に残った
アデライト『いざというときに発動するからね。今は消しておくよ』
『おばあちゃん、ユニーク魔法ってどう発動すればいの?』
アデライト『そうさな。使い慣れていれば感覚で出せるが、なんせ初めてだからね..まずは黒ウサギと会話したときのように精神を落ち着けてごらん』
『分かった...すぅ..はぁ..』
深呼吸をしながら目を閉じて集中すると、段々と周りの音が静かに落ちていく
アデライト『(相変わらず精神統一の精度と速度は並外れているね..)そのまま自分の身体の中心に意識と魔力を向けて高めていく..』
『(力と意識を中心に...)』
ブワッ...!!
すると、突然その中心から熱い力の塊が大きくなり始め、徐々に全身へと広がっていく
『!!..なに、これ..』
アデライト『集中を続けるんだ。その力をゆっくりと身体の外へ出すように...そして想像するんだ。お前さんが一番に望むことを..』
『一番に、望むこと..』
アデライト『お前さんはそのユニーク魔法に何を望むんだい?それを強く願って、力を放ってごらん』
『私は....この力を、大切な人達を助けるための魔法にしたい』
[本当にそれが望みかイ?]
『え?』
[キミの望みはそんなんじゃないだろウ?一番の望みだヨ?焦がれて求めて何よりも欲しいもノ]
『私の..欲しいもの..っぁ..!』
[あの時君が必死で願ったのは力じゃなイ。本当に欲しいものハ..]
『欲しい..っ、もの、は..』