第48章 *剣呑マイティリー*
〔レイラ〕
私の欲しいもの...願うもの..
["誰かのため"なんてそんな甘い願いがキミのユニーク魔法なわけないだロ]
『っ...!!ぁ...ぅ"...!!』
頭が締め付けられてるように痛い..っ!!
『ゃ...めて、ノ、ア...っ..』
[ボクはキミを正すために教えてあげたんだヨ?キミのユニーク魔法は、もっと別の願いで作られたんダ]
『別の..ね、がい..っぁぁぁ!』
またあの記憶...怖くて、痛くて、苦しくて...
もうやだ...やめて...
[忘れたわけじゃないだロ...あの日キミが感じた、痛み、屈辱、悲しみ、恐怖、裏切り、絶望、そして...怨み]
『怨み...』
[最も信頼していた家族に裏切られ、売られた先でもキミを傷つけるものしかいなかった絶望。そこから生まれた怨みはキミを美しく彩っタ]
『ゃ...』
身体が...黒い沼に堕ちていきそう...
だめ...
[そしてキミの"怨み"は別の形となってユニーク魔法を生んダ...なにか分かるかイ?]
『...』
分からない。ううん、分かってるけど..それを口にしちゃダメな気がする...
[(もっと堕ちてくれないとネ..)今も不安なんだロ?昨日のママ達とのやり取り..キミはまだ心の奥であの二人を疑っていル]
『ち、がう..っ..ママ達は、私を本当の子供として愛してくれてる..』
[そんなの誰が保証してくれるって言うんだイ?人間は嘘つきダ。キミをまた利用するヨ.."お母さん"たちのようにネ]
『...違う..違う..』
[学校の彼らだって、キミの力に惹き寄せられただけで、心が通ってるわけじゃないサ。彼らもキミを利用したいだけで、そこに"愛"があるわけじゃなイ]
『ぇ...』
[気づかなかったかイ?上手く騙されたものダ。哀れで可哀想..]
『...そんなこと、な..い...』
[ご婦人が言っていたことを気にしているんだロ?それでいいのサ。さぁ、これでキミが本当に望むものが分かったネ?]
『私の...欲しいもの...ぅ"ぁっ...!!』
[キミの欲しいものハ..]
『っ..私の欲しいものは..』