第47章 *君臨エンプレス*
『こんにちは』
?『黒兎様!本日も来てくださりありがとうございます』
『こちらこそ、手伝わせてくれてありがと。今日は何をするの?』
?『今日はこちらのエリアで収穫の作業を行おうと思います』
昨日とは違う畑に案内されると、そこには別の野菜が食べ頃と言わんばかりにいくつも実っていた
『いっぱいだ..どれも美味しそう』
?『はい。心を込めて育てましたので、とても美味しいと思いますよ。では、僭越ながらやり方をお教えしますので、一緒にやってみましょう』
『おー』
その日、二人は抱えきらないほどの野菜を収穫することになり、全ての作業を終える頃にはもう辺りは夕暮れに染まっていた
『今日のも楽しかった..野菜いっぱいだね』
?『黒兎様のおかげで半日で収穫を終えられて、とても助かりました。よろしかったら、少しもらっていってくださいね』
『いいの?やった..ありがと。ママに美味しく料理してもらうね』
?『そうしていただけると、とてもありがたいです』
袋詰めされた野菜を渡されると、レイラは嬉しそうに耳を揺らしながら、どんな料理になるのかと今からワクワクしていた
?『では今日はここまでということで、お家までお送りしますよ』
『いいよ?一人でも帰れる..ここから近いし』
?『ですが里の中とはいえ、お一人では危ないですよ。それにもう夕暮れですし..』
『大丈夫。のんびり景色見て帰りたいから、一人で平気。それに、魔法も使えるようになったから、自分の身は自分で守るよ』
?『..分かりました。ですが、どうかお気をつけて』
『ん。じゃあまた来るね..』
老婦人に別れを告げると、レイラは一人里をゆっくりと歩きながら、夕日に染まって闇が近づいてくる空を眺めながら帰路についた
月兎の里・レイラの家
『ただいま..』
ディオン『お帰りレイラ!可愛い僕の天使!さぁおいで!』
帰るやいなや両手を広げてだらしないニヤケ顔で待っていたディオンに、レイラは嫌な顔どころか幸せそうに微笑むと、持っていた袋を降ろしてその腕に飛び込んだ
『ただいま、パパ。大好き..』
ディオン『僕も大好き。愛してるよ、可愛い可愛い僕らの天使』