第47章 *君臨エンプレス*
次の日の昼、暁の社・テラス席
アデライト『そうかいそうかい。わだかまりはなくなったみたいで安心したよ』
『寝るときにも3人でお話しして、モヤモヤはなくなったよ』
アデライト『家族は仲良しが一番だからね。それにしても、昨日里の連中にピシッと言い放ったお前さん、威厳に満ちていて良かったよ』
『..あの人は悪くないのに、みんな好き勝手言うんだもん。気づいたら魔力が出ちゃってた』
アデライト『敬われるだけでなく、畏れを抱かせるのも黒兎として大事なことだ。今はまだ子供だから、なんて考えてる連中もいるからね。そんな連中には今からでも自分が上に立つ"王"だということを分からせないといけないよ』
『..王、として..』
アデライト『要は下に見られないようにってことだよ。さて、修行の続きをしようかね』
『ん』
アデライト『次はブロットを吸収できるという例の氷魔法。あれを使いこなせるようにしよう』
『よろしく、おばあちゃん』
パキパキパキ...
『ふぅ...』
アデライト『よし、そこまで。だいぶ発動が速くなってきた。学校に戻っても鍛練を怠ってはいけないよ?』
『ん、毎日少しずつ練習する』
アデライト『よろしい。さて、明日の修行だけど..お前さんのユニーク魔法を練習しようと思う』
『..ん?おばあちゃん、私ユニーク魔法は持ってないよ?』
首をかしげながらアデライトを見つめると、アデライトは少し憂いの表情で視線を落とした
アデライト『いいや、お前さんは既にユニーク魔法を持っているよ。恐らく過去と一緒に封印されていたんだろうね。今は解放されてちゃんと宿っているから、それも使いこなせていた方がいいと思う..でも、』
『でも..?』
アデライト『感じる魔力が余りにもおぞましくてね..少し気がかりなんだよ』
『おぞましい..ユニーク魔法..』
アデライト『ユニーク魔法について黒ウサギは何か言ってなかったかい?』
『ううん。ノアは何も...』
アデライト『名前をつけたんだね。ふむ..とりあえず明日発動までやってみようか。私も充分に気をつけてサポートするよ』
『私も気をつけながら頑張る』
アデライト『なら、今日はおしまいだ。自由に遊びに行っておいで』