第47章 *君臨エンプレス*
アデライト『二人とも間違ってはないよ。今回は私の統率不足だ。すまないね、この里の連中は黒兎を崇め敬うあまり、異常に過保護と言うか、キツいことをさせたくないというか。王はそこにいるだけでいい、みたいなところがあるから』
『...そんなのつまんない。私はもっと色んなことが知りたい。いっぱい経験して強くなりたい』
アデライト『素晴らしい考えだ。これからもその気持ちを忘れないように。..だけど、家を飛び出したことは感心できないよ』
『ぁぅ...』
?『家を飛び出されたのですか!?』
『ん..』
アデライト『エミリアたちが真っ青な顔で私のところに駆け込んできてね。何かと理由を聞いたら...まぁ、気持ちは分からなくもないけど。私言ったね?ちゃんと話し合えと』
『...ごめんなさい』
アデライト『確かに人は嘘をつく生き物だとも言ったし、もしかしたら今のエミリアたちのお前さんに対する愛は嘘かもしれない。だけど、見極めもせず逃げ出してはいけない』
『...ん。私、お家に帰ってママ達とお話しする』
アデライト『良い子だ。もし、エミリアたちの言葉が嘘だと思ったなら、また私に相談するといい』
?『私も微力ながらお力になりますよ』
アデライト『それはいい。彼女は人の悩みを聞くのが上手くてね。私も何度も聞いてもらったことがあるよ』
『分かった。何かあったら二人に言うね』
アデライト『よし。なら家に連れていってあげよう。さぁ、手をお出し』
アデライトの手をとると、見慣れた瞬間移動魔法でその場から姿を消した
月兎の里・レイラの家
アデライト『はい到着だ』
『ありがと、おばあちゃん』
アデライト『最後に1つ言っておくよ。お前さんの感じた悲しみや怒りは決して悪いことじゃないよ。それも人の感情さ。それを受け入れて、コントロールすることでお前さんはもっと強くなれるよ』
『受け入れて..コントロール。難しい、ね..』
アデライト『焦らなくていいさ。今はエミリアたちを早く安心させておやり』
『ん。じゃあ行くね』