第47章 *君臨エンプレス*
?『黒兎様には伸びやかに穏やかに過ごしてほしいだけで』
アデライト『その気持ちと無知のまま育てるというのは違うことだよ。この子には経験が足りない、だから様々なことを体験して学ぶことが今必要なんだよ』
『ん。私は色んな事が知りたいの。だからお手伝いさせてもらった』
アデライト『良いことだよ。そうしたことが、やがて大きなことに繋がる。それに、そのおかげで彼女の仕事の早く終わったんじゃないかい?なら良いことずくめじゃないか』
?『で、ですが..』
アデライト『まだ言うかい?私達を崇め、敬う割には全く礼儀がなっていないね。今すぐこの子と一緒にこの里から出ていっても良いんだよ』
ギラリと瞳を鋭くして睨むアデライトは、老齢というものを感じさせないほど凄まじい迫力を見せ、住人たちはその恐ろしさに異常なほどに身体を震わせた
?『!!!も、申し訳ありません!!』
?『どうかそれだけは!導きの力を絶やすことはおやめください!!』
?『全ては黒兎様のご意志の元に!!』
アデライト『..よろしい。ということで、この子のやりたいことに文句を言うやつはそれなりの覚悟を持つことだね。それと、そこの彼女に何かしようものなら私たちが容赦しないからね』
分かったらお戻り、と言い放つと住人たちは我先へと自分達の家へと走り去っていった。残されたのは、老婦人とアデライトとレイラだけだった
アデライト『大丈夫かい?』
?『黒兎様..ご迷惑をおかけして、』
アデライト『私たちだけの時は何と呼ぶか教えただろう?』
?『ア...アデライト』
『おばあちゃんたちはお友達なの?』
アデライト『そうさ。この里で育った幼馴染みだよ。だけど、私が黒兎であったせいで次第に身分が分かれるように私達の関係性も変わってね』
?『私とアデライト..が友達なんて、今考えたらおこがましい..』
アデライト『私としては小さな頃と同じでいいのにと思うんだけどね。中々譲らないものだから、二人きりの時だけは戻してもらうように言ってるんだ』
『そうなんだ。あ、さっきはごめんね。私のせいで色々言われちゃって..』
?『いえ、黒兎様は何も悪くありませんよ』