第47章 *君臨エンプレス*
その後、修行を軽めにこなし、レイラは昨日よりも早く家に帰ることになった
『ただいま..』
エミリア『!!お帰りなさいレイラ。早かったわね..それに一人で帰ってきたの?』
『おばあちゃんに魔法で送ってもらった。早く帰ってきたのは、ママ達にお話しがあるの。聞いて?』
エミリア『...分かったわ。パパを呼んでくるから、手を洗ってそこに座って待ってて』
エミリアに言われた通りにして待っていると、すぐに二人は姿を見せ、レイラと向かい合わせになるように座った
ディオン『それでどうしたの?お話しって』
『...あのね、ちょっと長くなっちゃうけど..』
エミリア『全然いいわ。レイラのしたいように話してちょうだい』
レイラはまとまらない考えのまま、ただ昨日あったことや自身の想いを包み隠さず二人に話した。そして、何より聞きたかった"二人の本当の想い"を問いただした
『教えて..ママ達が私を選んだ理由。どんな理由でもいい。だけど、嘘だけはつかないで...』
エミリア『..私、たちは..』
戸惑いと躊躇にエミリアたちは上手く言葉を紡げなかった。だが、自分達よりも真剣に、そして悲しみ満ちた瞳が揺れ動きながら答えを待っていたため、二人は顔を見合わせると、意を決した様子で互いに頷く
エミリア『分かったわ。でもレイラ、どうか私達の言葉を最後まで聞いてちょうだい』
ディオン『これはレイラにとって、気持ちの良い話じゃないから..』
『ん..』
エミリア『ありがとう。まずは..施設から子供を引き取ろうと思った理由について話すわね。
気づいてると思うけど、この家に貴女以外の子供はいないの。...実はママの身体はね、子供ができないの』
『..え...』
突然のことに呆けた声しか出せず、エミリアは自身の下腹部を撫でながら悲しげに笑った
エミリア『原因は分からない。色々な方法も試した。でも..できなかった。それで一時期、そんな私でも良いのかなって、パパを思って落ち込んでたこともあった。でもね、パパはそれでも私といたいって言ってくれたの』