第47章 *君臨エンプレス*
〔No side〕
次の日の朝、レイラは沈んだ気持ちのままベッドからゆっくりと身体を起こした
結局、慣れているはずのない"一人で眠る"ということに、目が冴えてしまい朝方まで起きてしまい、寝不足状態の朝を迎えた
『..眠いのに..寝れなかった..』
はぁ..とため息を一つはくと、重い身体を引きずりながらベッドから降りると、身支度を整えるために部屋を出ていった
『おはよ..ママ、パパ』
エミリア『おはようレイラ。あら、どうしたの?目の下にクマなんて..昨日は眠れなかった?』
ディオン『やっぱり一人で眠るのは怖かったかい?あぁ、可愛いお顔がこんなに元気なさそうに..』
『...』
エミリア『レイラ?』
『..ううん、ちょっと寝不足になっちゃった。でも大丈夫。慣れていかないと..』
明らかに元気をなくし、いつも以上に大人しくなったレイラの態度に二人は心配と疑問が頭に浮かんだ
エミリア『..無理しちゃダメよ?』
『ん..』
暁の社・外庭
『ぅ...っ...』
アデライト『一旦おやめ』
『っ..ふぅ..』
アデライト『どうしたんだい?昨日の疲れが出たのか、今日はコントロール出来てないよ』
『..ごめんなさい..』
昨日とはうって変わって、魔力の消費や身体の怠さが激しく、レイラはその場に膝をついて座り込むと、手に握ったマジカルペンを切なげに見下ろす
アデライト『昨日、家に帰ってから何かあったのかい?』
『...』
アデライト『あったんだね。それが気になって上手く寝られなかったってところか?』
『どうして分かるの?』
アデライト『黒兎として生きてると、人より何倍も悩む事が多くなるのさ』
アデライトは思い出すように苦笑するとレイラの手をとり、立つのを促すように軽く上に引く。レイラもそれを見てゆっくりと立ち上がった
アデライト『休憩にしようか。お茶でも飲んで落ち着くといい』
『..分かった』