第46章 *邂逅ディープリー*
その日の夜
エミリア『じゃあ明日もアデライト様のところで修行なのね』
『ん。あと、魔法以外の世の中の事とか...私、何も知らないから..』
エミリア『...ごめんね。苦労させて』
『ううん。ママ達はママ達で大事なこと教えてくれたよ。それでもまだ私には知らないことばかり..怖いことや、危ないこととかね』
ディオン『..そういうことを教えなかったのは、レイラは知らなくて良いと思ってのことで。でも、それはレイラの成長にはならないんだよね..身勝手だな、僕たちは』
『違うよ。ママとパパが楽しいことや嬉しいことをいっぱい教えてくれたから、お家にずっといても毎日楽しかった。だから..ありがとうママ、パパ..』
エミリア『レイラ...本当に優しい子ね』
ディオン『ああ。大好きだよ、レイラ』
エミリア『私も、貴女が大好きよレイラ』
『私も..ママもパパも大好き..』
3人は強く抱き締め合い、肌から伝わるそれぞれの鼓動と温もりを心地よく感じた
『ん、ふあ~ぁ...』
エミリア『あらあら、お疲れね。もうベッドに入って寝ましょうか』
ディオン『そうだね。明日もあることだし』
エミリア『さあおいで..』
そう言ってレイラの手を引き自分達の部屋へと向かおうとするが、不意にレイラはその場で立ち止まると、エミリアの手からするりと抜け出した
『...ママ、パパ..今日、だけは自分のお部屋で寝ていい、かな?』
『『えっ!?』』
『や、やっぱり慣れておいた方がいいかなって思って..』
エミリア『??貴女が言うなら、勿論良いけれど..』
ディオン『う、うん。僕もいい、よ...?』
『ありがと。じゃあ、おやすみママ、パパ...』
二人に背を向けると、少し焦ったように両親の部屋とは別の少し離れた自室へと入っていった
ディオン『いきなりでビックリしたね...。何かあったのかな?いつもならおやすみのキスを必ずしてくれてたのに..』
エミリア『...』
ディオン『エミリア?』
エミリア『あの子は賢く、そして勘の良い子だわ。もしかして、何かを察したのかもしれない。例えば、あの子を引き取った時の事とか..』