第46章 *邂逅ディープリー*
?『『『万歳!!万歳!!』』』
満面の笑みで盛り上がり、ホール中に声が響き渡る
『みんな..なんていうか..凄いね』
アデライト『うるさいだろう?すまないね。でも彼らに悪気はないんだよ、許してやっておくれ。それほど私達黒兎は、みなにとって重要な存在なんだ』
でもさすがに、とアデライトは集団の中で盛り上がらずにこちらを見つめているエミリアたちに目配せすると、二人は軽く会釈してパンパンと手を叩いた
エミリア『静まりなさい。黒兎様の御前でいつまでも騒ぎ立てるものじゃありません』
ディオン『我らが神は静寂をご所望だ』
二人の凛とした声に周りは口を閉ざすと、再び辺りに静けさが戻る
『ママ、パパ..すごい』
アデライト『黒兎の親は神を産んだ者として私達ほどじゃないけど敬われる存在になるのさ。いわば村の副長..私達の次に権力あるものとなる。それがあの二人で良かったよ。周りとは違って冷静で賢く、優秀な魔法士だからね』
そう言うと、アデライトは手を引いたまま一歩前に進み出ては、こちらを見上げる村人たちを見渡しながら口を開いた
アデライト『いいかいお前さんたち。この子は私達の新たな先導者だ。でもまだ幼く小さい..だからこそ私達が全力で手助けし、自由にのびのびと過ごしてもらうんだ。それがこの子のためになるし、将来の私達のためにもなる。くれぐれも、この子の不安になるようなことはするんじゃないよ』
『『『はっ!!』』』
アデライトの一言でキリッと空気が引き締まり、村人たちも真剣そのものの眼差しで見上げる
『おばあちゃんもスゴい..カッコいい』
アデライト『ふふ、そうかいそうかい。さてと、挨拶も終えたしお前さんは..ほら、エミリアたちのところにお行き』
『ん。おばあちゃん..また明日ね』
アデライトに手を振ると、高座を降りエミリアたちの元へと小走りで駆け寄った
『ママ、パパ..』
『『おかえりレイラ』』
二人は軽く飛び込むように抱きついてきたレイラを抱き止めると強く抱き締めた
アデライト『その子は優秀な資質を持った子だよ。嬉しくてつい私が調子に乗って半日で詰め込みすぎた。よく家で休ませてあげておくれ』
『『はい』』