第46章 *邂逅ディープリー*
アデライト『今日はこれくらいにしようかね』
『はぁ..はぁ..魔法いっぱい使った..』
アデライト『それにしてもお前さん、凄く見込みがあるよ。匂いの抑制はすぐに修得できるわ、魔法のコントロールも殆ど出来てる。今日いくつ新たな魔法を覚えたんだい?』
『んと..5個くらい?』
アデライト『元々資質は充分ってことだね。さあ、疲れただろ?家に帰ってよくおやすみ』
『また明日も来ていい?』
アデライト『勿論だとも。なんだか嬉しいね..こんな風に誰かと一緒に魔法の練習。昔を思い出す..』
アデライトは空の彼方を見つめ、リリアからの手紙をもらったときのような懐かしい目をしていた
『おばあちゃん..優しい顔してる。誰かを想ってるの?』
アデライト『...昔、若いとき..今のお前さんぐらいの歳だったかな。そいつはある日フラリと目の前に現れてね..不思議な男だったよ。暫く一緒に過ごして、魔法や歴史を教わったものだ..』
『その人のこと..好きなの?』
アデライト『好き、か..お前さんの"好き"には当てはまるけど、そうじゃないよ。憧れ..兄みたいな感じだったねぇ..』
ふふっと笑いながら頭に?が浮かんでいるレイラの頭を優しく撫でる。そして、その手をとるとまた瞬間移動で元の部屋へと降り立った
暁の社・黒兎の間
アデライト『また明日遊びにおいで、可愛い後継者。さ、両親の元まで連れていってあげるよ』
『ん。ありがと、おばあちゃん』
アデライトと手を繋ぎながら部屋を出ると、最初に入ったホールへと向かい、ドアを押し開く。そこにはまだ大勢の人が残り、エミリアたちを囲いながら楽しそうに談笑していた
『『『ははは!...え?』』』
ドアの開かれた音に気づくと、レイラだけでなくアデライトまで立っていたことに声を失うほどに酷く驚いた
暫く硬直した後に、ようやく現実が理解できたのか、一斉にその場で膝まづきながら頭を下げ、手を合わせて拝み始めた
?『素晴らしい!!なんと神々しい光景だ!!』
?『現在と未来の神が並び立っているなんて..ああ、生きてて良かった..!!』
?『麗しき神たる先導者たちよ..!どうか我らに栄光と繁栄を..!』
?『万歳..黒兎様..万歳!!』