第46章 *邂逅ディープリー*
『ぅっ...』
[分かったかイ?キミが望んだんダ。"黒兎"も"黒兎の力"もいらないっテ。だからボクはそれに応えるために自我を持って生まれた]
『私から、黒兎の力を離すため..?』
[そうだヨ。だって今までにキミが使った黒兎の力は全てボクの意思で発動していただろウ?影のウサギとかネ..。まぁ、流石に匂いについてはどうしようもなイ。それはキミに流れる血がそうさせているからネ]
『でも貴方は私の中。力は完全に離せてない。それに、どうしてオーバーブロットした人達にあんな..』
[...その内わかるヨ。ボクのやろうとしていることガ。まぁ、その時キミは...いヤ、今はいいカ。それにしてもキミはワガママだなァ。折角ボクが黒兎の力としてキミから離そうとしているのに、今度は使いこなしたいなんテ..]
『このままだとダメだと思ったから..』
[ふム...まぁ、良いカ。最後はボクの目的が果たされればそれでいイ。分かったヨ、一度キミの中に返ろウ]
『ぁ..ぅ..』
ドクンと鼓動が高鳴り、身体に強力な力が広がっていく感覚に一瞬呑み込まれそうになる
[せいぜい頑張って制御してみるといイ。ただし、ボクは暴れん坊でネ..苦労すると思うヨ?]
『負けない..』
[そうかイ..じゃあ、そろそろ現実に帰りナ]
『最後に2つ。まず貴方のこと、なんて呼べばいいの?黒ウサギ..じゃ色々ゴチャゴチャする..』
[好きに呼べばいイ。だってボクはキミの力なんだかラ]
『...ん~..ウサギだから..ピョン助..?』
[なんテ??]
『冗談。黒..黒..黒って他に..』
[ブラック、ノワール、ネーロ。色々あるねェ..]
『じゃあ、ノワ。ううん、ノアにする』
[はいはい、ボクは今日からノアだネ。まったく..嬉しそうな顔をしテ。ボクにされたことを忘れた訳じゃないだロ?]
『忘れてない。でも何だか嬉しいの..貴方にちゃんと名前をあげられたことが』
[変わった子ダ。それで、二つ目ハ?]
『..私の記憶、どうして今まで忘れてたの?貴方に会うまで何も覚えてなかった。それに、あそこからどうやって逃げ出せたか分からないし、ママ達にだってどうやって会えたの?』