第45章 *ホリデー後半編~黒の先導者~帰郷ホームタウン*
黒兎、その単語が出た瞬間、二人は表情を引き締め真剣な眼差しで見つめてくる
エミリア『ええ。そうよね..貴女が一番聞きたいのはその話。今まで貴女がその特別な存在の一人だって事を言わないでいたのは謝るわ、ごめんなさい』
ディオン『でもこれはレイラを守るためでもあったんだ。どうかパパたちを許してほしい』
『ん、大丈夫。ママたちに考えがあったのは、なんとなく分かってたから』
エミリア『ありがとう。それで、きっと分からないことが多くて戸惑ってるだろうし、話に出てきた自我を持った黒ウサギ..それについても聞きたいのは分かる。だから、明日のお出掛けまで待ってくれない?』
『明日のお出掛けって、黒兎についてだったの?』
ディオン『そうだよ。そこである人に会ってもらうんだけど、その人ならきっとレイラの感じてる戸惑いや悩みを解決してるはずだよ』
『そっか..分かった』
エミリア『良い子ね。さ、今日はもうご飯にしてお風呂に入って寝ましょ』
『ママのご飯久しぶり..楽しみ』
『『なにこの天使』』
その日の夕食はレイラが帰って来たこともあって、スカラビアの宴に負けず劣らず、とても豪華な料理が並び、懐かしい母親の料理に舌鼓を打った
そして風呂でのんびりと体をほぐした後、自分の部屋に行くことなく少し離れた両親の部屋へと向かった
『ママ、パパ、一緒に寝よ?』
エミリア『ええ、勿論良いわよ』
ディオン『おいでおいで!マイエンジェ..うぐっ!』
エミリア『やめろって言ったでしょ。さあ、おいでレイラ』
ドアからひょこっと顔を覗かせる娘の可愛さに二人は内心叫び倒しそうな程に身悶える。両手を広げてレイラを迎えようとするディオンの鳩尾をど突くと、エミリアは布団をめくり優しく手招きした
小走りで近づき、ベッドに潜り込むと二人の間から顔を出し嬉しそうに笑った
『えへへ..』
エミリア『相変わらず甘えん坊ね..学校でもお友達と一緒に寝てたみたいだし』
『一人はやだもん..好きな人の温かいのがないと』
ディオン『うんうん、レイラはそれでいいよ』
エミリア『ママもレイラをぎゅってするの好きだから良いけどね』