第44章 *終曲スカラビア*
リリア『すまんな。では、わしはこれで。良いホリデーを』
『コウモリさんも。あと、これくれた人にも言っておいて』
リリア『あい分かった』
軽くうなずくと、一瞬のうちにリリアは光の粒を残して姿を消した
リリアの消えた後、手紙の差出人を見ると"M.D"と書かれてあった
『M.D..?誰かな?ユウ知ってる?』
ユウ『ううん、分かんない。そんな人と知り合いだったっけ?』
グリム『ユウ、レイラ~!早く来ないとご馳走全部食っちまうゾ!』
ユウ『いけない。さ、戻ろっか』
その夜、オンボロ寮では3人とゴーストたちによるホリデーパーティーが行われ、ご馳走を腹がはち切れんばかりに食べ、ゲームで盛り上がり、充実したパーティーが過ぎていった
グリム『むにゃむにゃ..』
ユウ『グリムったら、明日レイラが帰っちゃうのにすぐ寝ちゃった』
『でもパーティー中はちゃんと寂しがってくれたよ』
ベッドの中でグリムを起こさないようにコソコソと喋りながら、ユウは明日から触れられなくなる温もりを少しでも堪能するために、いつもより強く抱き締めていた
『ユウ、私がいなくても学校のことよろしくね。私も頑張ってユウたちがいないの我慢するから..』
ユウ『うん..多分泣きわめくと思うけど帰ってくるまで耐えるよ』
『大丈夫。エースやデュース、アズさんたちにカリムさんたちもいるもん。寂しくないよ』
ユウ『...』
『ユウ?』
ユウ『レイラはさ、エースたちが帰っちゃった時に言ったよね?"誰か"がいないから寂しいんじゃなくて、"エース達"がいなくなるから寂しいって』
『ん..』
ユウ『僕も同じだよ。レイラがいなくなるから寂しい』
『ユウ..ありがと、嬉しい..今日はユウをいつもより感じて寝たい』
ユウ『僕も..ねぇ、キスしてもいい?』
『ん..いっぱいしよ?』