第44章 *終曲スカラビア*
突然思ってもない二人の登場に驚きを隠せないユウたちに、エースは膝に手を当て呼吸を整えながら答える
エース『どうしたの、じゃねーっつの。お前らこそどうしちゃったわけ?』
デュース『"スカラビアに監禁されてる!"なんてメッセージが届いたと思ったら、メッセも通話も通じなくなって..しかも二人とも』
グリム『あ、そういえばこいつらにも連絡しとけって言ったっけ。役に立たないとは思ってたけど、本当に全部解決してから来たんだゾ』
エース『はあ~!?こっちはな~、扉が開いてないから魔法でワープできなくて、公共機関乗り継いで学園まで戻ってきたんだかんな!』
デュース『よく分からないが..この楽しげな様子を見る限り、危機的状況ってわけじゃなさそうだ』
デュースが辺りを見渡しホッと息をつくと、二人に気づいたカリムたちが歩み寄ってきた
カリム『なんだ?ユウたちの友達か?』
フロイド『あ、カニちゃんじゃん。遊びに来たの?』
デュース『カニ..?』
エース『あー、フロイド先輩は同じバスケ部で..スカラビアのジャミル先輩も同じ部活なんだけど』
カリム『おお!そうかそうか、ジャミルの友達ならオレの友達だな!』
ジャミル『おい、何度も言うが俺はお前と友達になったつもりは..はぁ、聞いてないな』
カリムの厚意でエースたちも宴に参加することになり、二人もオクタヴィネル全員集合という絵面に驚きつつも、宴の輪へと入っていった
ユウ『でもありがとう、来てくれて』
エース『別に~、実家にいてもゲームしかやることな..って、さっきからレイラどうしたわけ?』
デュース『確かに、喜んでくれると思っていたんだが..』
二人が来てから一言も喋らずに俯いたままのレイラに首をかしげると、エースは片膝をついて下から顔を見上げる
すると、ポタッと一滴エースの頬に雨が落ちた。だがそれは雨ではなくレイラの目から溢れ落ちた涙だった
エース『え!?な、なんで泣いてんだよ!?オレ何かした!?』
デュース『ど、どうしたんだ急に..』
グリム『お前らが余りにも役に立たないから悲しんでんじゃねーのか?』
エース『いやお前じゃないんだから、レイラは優しいし..んぐっ!』